GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

鳥脚類

奇跡の海

Skeletal reconstruction of Kamuysaurus japonicus holotype HMG-1219. Scale bar is 1m. 言うまでもなく全てはひとつのイベントに収束したわけである。果てしなく続くかに見えた(そして筆者もその片棒のすみっこをなでくりまわした)メディア戦略の末、む…

再び発つ

↑Skeletal reconstruction of Hadrosaurus foulkii holotype ANSP 9201-9204, 10005. Scale bar is 1m. どういうわけか本ブログでも散々取り上げてきたむかわ竜は、記載論文の出版が間近に迫っているらしい。むかわ竜の化石が奇跡の産物だというのは今さら書…

君はあの影を見たか

↑Skeletal reconstruction of huge hadrosaur Shantungosaurus giganteus (composite; including holotype GMV 1780-1) and Saurolophus angustirostris (composite; largely based on MPC-D 100/764). Scale bar is 1m for GMV 1780-1 and MPC-D 100/764. …

性懲りもなくむかわ竜についてgdgdと

先日の特番(再放送もBSということで、持たざる者は結局オンデマンドに頼るほかないようだ)はすべて一連の計画のうちであったらしい(このあたり、色々な流れというか動きが見える)。クリーニングの終わった(厳密にいえば、まだ(そして究極的にはひょっ…

孤独の海

↑Skeletal reconstruction of Nipponosaurus sachalinensis holotype UHR 6590. Scale bar is 1m. 今でこそ「恐竜研究(というか中生代の大型化石爬虫類全般)」が行える研究機関は日本でもみられるようになったが、かつては――研究対象を世界に求めることの…

むかわ竜についてgdgdと

またである。またであるのだが(あえてバーボンハウスは貼らない)、前回から丸1年は経っているので許してほしい。 来週水曜日にNHKの恐竜番組があるのはさておき(例によってCGがむごいようだ;給料から受信料が天引きされている筆者である)、問題は番組の…

陽の当たる場所へ

Skeletal reconstruction of Thescelosaurus neglectus (composite; scaled as "Willo" NCSM 15728) and Thescelosaurus garbanii (holotype LACM 33542). Scale bar is 1m. テスケロサウルスといえば白亜紀最末期を代表する小型(というにはやたら大きいの…

流れ着く先

Composite skeletal reconstruction of Hypsilophodon foxii. Scale bar is 1m for adult specimen NHMUK R5829. ヒプシロフォドンといえば「小型鳥脚類」の代名詞であり、その典型として常に恐竜図鑑を飾ってきた。それもそのはず19世紀から複数の骨格がよ…

懐かしき東方の血

↑Skeletal reconstruction of Tanius sinensis holotype PMU 24720. Scale bar is 1m. あけましておめでとうございます。今年も変わらずGET AWAY TRIKE !をよろしくお願いします。 それでは諸君、都合二回目のタニウスの記事だ、行ってみよー! タニウス――今…

小川を渡って谷間を抜けて【ブログ4周年記念記事】

↑Skeletal reconstruction of Edmontosaurus annectens (upper row) and Edmontosaurus regalis (lower row). Scale bar is 1m. Edmontosaurus annectens Silhouette: "X-rex" MOR 1142, roughly scaled. (not fullly?) Adult: composite (proportion after …

けものとりとかげ

↑Skeletal reconstruction of Heterodontosaurus tucki SAM-PK-K1332. Scale bar is 1m. ヘテロドントサウルスといえば、筆者の世代(90年代前半生まれ)にとっては昔から図鑑で見慣れた恐竜である―――が、実のところ最初の発見は1960年代と、比較的歴史は浅…

むかわ町のハドロサウルス類について書き散らかしていくコーナー

久方ぶりの更新なのはとりあえず置いといて(唐突)、ご存知の通りむかわ町穂別で発見されたハドロサウルス類(しばらく前から「むかわ竜」の公式愛称がついている)のクリーニングがあらかた終わり、「全身骨格」であることが確認された。かねてより全身が…

黒い河に白く

↑Skeletal reconstruction of Olorotitan arharensis. Based on holotype AEHM 2/845. Scale bar is 1m. あけましておめでとうございます。今年もGET AWAY TRIKE !(海外ではGATで通じるとかなんとか)をよろしくお願いいたします。というわけで(早い)新年…

彼岸帰航

↑Skeletal reconstructions of parasaurolophins. Top to bottom, "Charonosaurus" jiayinensis (composite; scaled as largest femur); Parasaurolophus tubicen based on NMMNH P-25100; P. walkeri based on ROM 768; P. cyrtocristatus based on FMNH P2…

ララミディアのトロンボーン吹き

↑Skeletal reconstructions of Laramidian parasaurolophins. Top to bottom, Parasaurolophus tubicen based on NMMNH P-25100; P. walkeri based on ROM 768; P. cyrtocristatus based on FMNH P27393 and USNM 13492. Scale bar is 1m. パラサウロロフス…

うちにかえっておいしいごはん

↑Skeletal reconstruction of "Hadrosaurus minor" ANSP 15202. Scale bar is 1m. 前回の記事で触れたとおり、アパラチア産の恐竜化石は質・量ともにララミディア産のものと比べて乏しい。それでも(広義の)ハドロサウルス類はアメリカ東部の様々な海成層か…

トラコドンふたたび

↑Skeletal reconstruction of Eotrachodon orientalis holotype MSC 7949. Scale bar is 1m. アパラチア産の恐竜化石は質・量ともにララミディアのそれと比べて貧弱であり、その辺の話については過去さんざん嘆いてきたつもりである(参考記事;そのうちリニ…

可能性の獣

↑Unicorn dinosaurs ---tsintaosaurins. Top, Tsintaosaurus spinorhinus (composite, largely based on IVPP V725); Bottom, Pararhabdodon isonensis (composite, based on Sant Roma' d'Abella specimens and "Koutalisaurus"). Scale bar is 1m. あけま…

ウーグルーナールクUgrunaaluk、あるいは“アラスカのエドモントサウルス”

↑Composite skull reconstruction of Ugrunaaluk kuukpikensis. From Mori et al. (2015) 次回はタルボサウルスなどと抜かしていた筆者だが、またしても新種である。モザイケラトプスのように降ってわいた新種ではないのだが、実のところいずれ(未命名のう…

クリトサウルスとゆかいな仲間たち

クリトサウルスKritosaurusとグリポサウルスGryposaurusは色々とややこしい歴史を潜り抜けているのだが、いささかマイナーなのが寂しいところである。これらクリトサウルス族Kritosauriniはカンパニアン全体に渡って北米で大繁栄(した末に南米へ渡った)し…

ヘル・クリークの巨大ハドロサウルス類

全然仕込みができていないので、ほったらかしにしていたネタ(Pelitzさんありがとう!)をちょいと書きたい。Twitter(よせばいいのに始めた男)にちょっと書いたのだが、補足も入れて適当に書こうと思う。 ヘル・クリーク層(というかランス期の北アメリカ…

タニウス

↑Skeletal reconstruction of Tanius sinensis. Based on type specimens. Scale bar is 1m. これといって華がない(失礼)のにも関わらず、なぜか好きなものというのは少なからずあるだろう。そういうわけで筆者はなぜかタニウスが好きである。 前々から骨…

コシサウルス・カツヤマ

↑Preliminary skeletal reconstruction of Koshisaurus katsuyama. Based on available materials (probably same individual; include holotype FPDM-V 9079). Scale bar is 1m. なかなか日本でのメディア発表がなかったのでやきもきしたのだが、ようやく情…

巨型山東龍

↑シャントゥンゴサウルス・ギガンテウスの骨格図 (主にGMV 1780-1(模式標本)とGMV 1780-2に基づく)。 プロポーションの正確性には疑問の余地がある。 “第38尾椎”を除いては基本的にHu et al.(2001)の計測値に基づく。 スケールは1m Skeletal reconstruct…

せぼねのはなし

↑バルスボルディア・シキンスキイの骨格図。 図示したほかにいくつかの肋骨や恥骨の一部、脚の断片なども見つかっている。 スケールは1m Skeletal reconstruction of Barsboldia sicinskii. Some ribs, partial pubis and fragmentary hind limb are also re…

ヒプシベマ覚え書き

怒涛の勢いで骨格図を3つ描き、一息ついてなんともなしにググってみたらヒプシベマの資料が引っ掛かったわけである。パロサウルスの記載論文もJSTORに転がっていたので、先日のシリーズもので断念していた骨格図をでっち上げようと思ったのだが、ちょっと意…

ちょこっとむかわの話

↑和泉層群北阿万層産ランベオサウルス類。図示したほかに複数の遠位尾椎や頚肋骨らしきものが知られている。 Lambeosaurine from Kita-ama formation(early Maastrichtian) of Izumi group, Japan. Some caudal vertebra and cervical ribs also found. また…

こわれたとかげ

↑クラオサウルス・アギリスの骨格図。スケールは1m Skeletal reconstruction of Claosaurus agilis based on photos. Scale bar is 1m. 本業が忙しかった(気合を入れれば1日でスライド作れるんね)のでだいぶ筆者の愚痴を書きつづったわけであるが、また平常…

ニッポノサウルスの孤独

↑ニッポノサウルス・サハリネンシスNipponosaurus sachalinensisの骨格図。 スケールは1m Skeletal drawing of Nipponosaurus sachalinensis UHR 6590, restored after Nagao, 1936 and Suzuki et al., 2004. Scale bar is 1m. 例のむかわ町のハドロサウルス…

最初のカモノハシ

↑ハドロサウルス・フォーキイHadrosaurus foulkiiの模式標本 ANSP 9203、9204、10005(ほかにANSP 9201、9202も模式標本の一部をなす) スケールは1m いわゆるボーンウォーズが勃発したのは1870年代からであるが、ここから輝かしい北米の恐竜発掘の歴史が始…