GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

2015-01-01から1年間の記事一覧

2015年をgdgd振り返るコーナー

歳をとると1年が過ぎるのはあっという間である(去年も同じようなことを書いた気がするがキニシナイ)。 振り返れば今年も色々あった。ブロントサウルスが有効属へと返り咲き、突拍子もない形態でイー・チーが一世を風靡した(そんなことはない)。胡散臭い話の代…

AC -10、あるいはニンジャの・・・・・・全裸!

http://maxillaandmandible.com/wp-content/uploads/2015/05/anklyosarus_skull_half_side.jpg ↑Skull of Euoplocephalus sp. ”Sherman”. About 47cm length. From Maxilla & Mandible, Ltd. さて、先日なんともなしにググっていたら久しぶりに飛び込みのち…

イスチオケラトプスIschioceratops

↑Ischioceratops zhuchengensis ZCDM V0016 (holotype). From He et al. (2015) 久方ぶりの更新である(年内にもういっぺんくらいは更新できそうだ)。いかんせん卒論の執筆が佳境に入っているわけで、色々とご容赦願いたいところである。新年一発目の記事は…

或る鎧竜の死

http://i.telegraph.co.uk/multimedia/archive/03520/Kunbarrasaurus2_3520733b.jpg ↑Holotype skeleton of Kunbarrasaurus ieversi. From The Telegraph. ミンミといえばオーストラリアを代表する恐竜のひとつであり、その属名の独特の語感とかわいらしいス…

ユタの名無したち

↑A, UMNH VP 20600 (Wahweap centrosaurine A); B, UMNH VP 20550 (Wahweap centrosaurine B); C, UMNH VP 9549 (Wahweap centrosaurine C); D, UMNH VP 20949 (Kaiparowits centrosaurine B) . From Loewen et al. (2013) まさかの3週間放置である。その間…

トロサウルスの帰還

トロサウルスと言えば、ここ数年の騒動は記憶に新しい。トロサウルスのシノニム騒ぎが筆者に与えた影響は色々な意味で大きかったりもして、本ブログの立ち上げにけっこう絡んでいたりもする。 そんなこんなで「トリケラトプスのジュニアシノニム」となる可能…

恐竜博2016

ゼミ発表は無事切り抜けた筆者である。心身ともにだいぶ疲れているところではあるのだが、心ぴょんぴょん躍るニュースが飛び込んできたので紹介しないわけにはいかない。 2016年の3月8日(火)~6月12日(日)まで、国立科学博物館にて「恐竜博2016」が開催…

ダコタラプトル・スタイニDakotaraptor steini

↑Skeletal reconstruction of Dakotaraptor steini PBMNH.P.10.113.T (holotype). Scale bar is 1m. ブログも開設2周年を迎え、平常運転に戻す・・・・・・間もなく本業でバタバタしていた(最近こればっかだが何しろ卒論を書かないと卒業できない)筆者だが、気が…

SVPの私的まとめ

ご存知の方も多いだろうが、先日ダラスで古脊椎動物学会の2015年年会(いわゆるSVP 2015)がおこなわれた。毎年のことながら恐竜がらみの興味深い発表が数多くあり、今後が実に楽しみである。筆者的に気になったものを備忘録を兼ねて適当に書いておきたい。 …

漁師の血筋

↑Skeletal reconstruction of Ichthyovenator laosensis. Based on described holotype (MDS BK10-01~15) and currently undescribed additional elements (of holotype?). Scale bar is 1m. Notes: Described holotypic elements are based on Allain et al…

ネメグトの王たち【ブログ2周年記念記事】

↑Tyrannosauroids of Nemegt formation. おかげさまでブログ開設2周年である。相変わらず白亜紀前期以前のネタに乏しい本ブログであるが、筆者の本業が白亜紀後期なので仕方のないところである(殴 記念記事のネタを募集する余裕もなかった筆者(夏は実際色…

気が付いてみれば

夏が終わってみれば、ブログを始めて2年が経っていました。なんだかんだで2年続いたことに、実はちょっと驚いていたりもします。 とにかく必死(?)だった1年目ですが、2年目はもう少し(気持ちの)余裕をもって書くことができたような気がします。本業が忙…

特別展「南アジアの恐竜時代」レポ

もう2週間弱で終わってしまう福井県立恐竜博物館の開館15周年特別展「南アジアの恐竜時代」に、遅まきながら行ってきたわけである。とっくに行かれた方が多いと思うのだが、適当にレポート記事を書いておきたい。なお、ディノプレスvol.1とvol.3あたりも参考…

アパラチアの角竜

Black Creek ceratopsian, YPM-PU 24964, left maxilla. A, medial, B, ventral, C, lateral, D, dorsal view. From Longrich (2015). さんざんアパラチアの恐竜について取り上げてきた本ブログであるが、こういうネタにはやはり飛びつかざるを得ない。角竜…

ウーグルーナールクUgrunaaluk、あるいは“アラスカのエドモントサウルス”

↑Composite skull reconstruction of Ugrunaaluk kuukpikensis. From Mori et al. (2015) 次回はタルボサウルスなどと抜かしていた筆者だが、またしても新種である。モザイケラトプスのように降ってわいた新種ではないのだが、実のところいずれ(未命名のう…

モザイケラトプス・アズマイMosaiceratops azumai

↑Mosaiceratops azumai ZMNH M8856 (holotype). Left lateral view of skull (a), right lateral view of skull (b), and skeletal reconstruction (c). Scale bar is 10cm. Modified from Zheng et al. (2015) 懸案事項は星の彼方に吹き飛ばした筆者である…

ワイマンの落とし物

↑Skeletal reconstruction of Euhelopus zdanskyi. Based on exemplar a, b, c, and scaled as exemplar a and c. Scale bar is 1m. カール・ワイマンと言えば本ブログではとっくのとうにおなじみの、ウプサラ大学の古生物学者である。中国産の恐竜を初めて…

アヴァケラトプス覚え書き

マイナー恐竜もいいとこのアヴァケラトプスだが、ここにきてにわかに注目度が高まっている(そんなこともない)。かねてよりロッキー山脈恐竜資源センター(というと大仰だが、つまるところトリーボールド社の発掘・展示部門である)が復元を進めてきたモン…

3+2

ペンタケラトプスといえば、わりあいに昔から恐竜図鑑の角竜のページを飾っていた。ここ4、5年で激増した角竜(特にケラトプス科)だが、このあたりの「古典派」はやはり落ち着くものである。 もっとも「古典派」とはいうものの、ペンタケラトプスはトリケラ…

HMMマリンカイザーの復活についての喜びその他をgdgdと

↑通りすがりのカラウルを鎌で脅迫しHMMマリンカイザー購入を強要するゼロス 筆者を絶望の淵へ追いやったマリンカイザーショック(絶望の淵から救ったのはウェンディケラトプスだった)だが、先日のWF夏にてちらと朗報が流れ、キャラホビ2015にてHMMマリンカ…

オストロムのトリケラトプス

↑Skeletal reconstruction of Triceratops "brevicornus" BSP 1964 I 458 (formerly YPM 1834). Scale bar is 1m. 北海道の山奥へ行っていたり別件で参っていたりしてかれこれ2週間近くほったらかし(な上にまともな仕込みができていない)なわけである。9月…

ラエラプス、メガロサウルス、ドリプトサウルス

↑Skeletal reconstruction of Dryptosaurus aquilunguis. Based on ANSP 9995 and AMNH 2438. Scale bar is 1m. 色々あって気の休まらない今日この頃で、エウへロプスの骨格図は仕込みだけしてほったらかしていたりする筆者である。さすがに丸1週間更新なし…

森に棲むデュラハン

↑Skeletal reconstruction of Agathaumas sylvestris AMNH 4000. Scale bar is 1m. 角竜の化石といえば頭骨ばかり・・・ということは読者のみなさまもとうにお気付きのことだと思う。多くの角竜がほとんど頭骨のみに基づいて命名されていたりもするのだが、実の…

ラ・ボニタ

↑Skeletal reconstruction of Bonitasaura salgadoi. Based on MPCA 460 (holotype) and MPCA 467. Scale bar is 1m. ティタノサウルス類といえば眩暈がするほど多様なグループであり、見た目もかなりバラエティに富んでいるらしい(らしい、というのは大概…

メガ恐竜展2015 レポート

本業の方でバタバタしてたりなんだりでまたちょっと間が空いてしまったのだが、気を取り直してメガ恐竜展のレポート記事といきたい。隙を見て2回行った筆者(1回目はうっかりワンフェスとぶつかって地獄を見、2回目は謎の超豪華メンバーだった)だが、色々な…

暴君王の遍歴(後編)

Top to bottom, "Dynamosaurus imperiosus" BMNH R7994 (in part), Tyrannosaurus rex holotype CM 9380, Tyrannosaurus rex AMNH 5027, Tyrannosaurus rex FMNH PR 2081. Scale bar is 1m. 前回からだいぶ間が空いてしまったのだが、しれっと続きを書きたい…

「ダイノワールド2015 ヨコハマ恐竜博」レポ

レポート3連発であるが、前編で止まっているティラノの記事を忘れたわけではないので安心してほしい。8月に入るとなんだかんだそこそこ忙しかったりもして、行けるうちに行った結果がこれである。 ヨコハマ恐竜博については公式サイトに出ている情報が色々と…

特別展「生命大躍進」レポ

前回かはくのリニューアルされた常設展について紹介したので、今度は特別展「生命大躍進」のレポートといきたい。夏休み中の混雑は日を見るより明らかだが、幸い会期が長い(10月4日(日)まで)ので、9月になってからでも安心である。また、名古屋、愛媛、…

かはくリニューアルレポ

散々書いてきたとおり、今年のかはくは生命大躍進と常設展リニューアルが重なって阿鼻叫喚が予想される。すでにちびっ子は夏休みに突入しており、この3連休は多分地獄絵図(昨日行ったら案の定地獄絵図だった)だろう。 読者のみなさまも、すでに夏の科博に…

暴君王の遍歴(前編)

Top to bottom, "Dynamosaurus imperiosus" BMNH R7994 (in part), Tyrannosaurus rex holotype CM 9380, Tyrannosaurus rex AMNH 5027, Tyrannosaurus rex FMNH PR 2081. Scale bar is 1m. 気が付けば命名110周年を迎えようとしているティラノサウルスであ…