GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

総合

廃れゆく泥灰土坑【ブログ開設8周年記念記事】

↑Skeletal reconstruction of associated remains of the last New Jersey dinosaurs. Top to bottom, Dryptosaurus aquilunguis holotype ANSP 9995 with AMNH 2438 (West Jersey Marl Company Pit), lambeosaurinae indet. YPM 3216 (West Jersey Marl Co.…

逆襲のギガンティス

↑Gigantic Tyrannosaurus and Triceratops specimens. Top to bottom, cf. Tyrannosaurus rex (commercial specimen exhibited at Tokyo International Mineral Fair 2017; femoral length:1.36m); Tyrannosaurus rex "SUE" FMMH PR 2081; Triceratops prors…

モンタナ・デュエリング・ダイナソーズ;帰還

Montana dueling dinosaurs――モンタナ闘争化石の名で知られるそれが日本で話題になりだしたのはいつのころだっただろう。本ブログが今は亡きYahoo!ブログ(実際問題編集ははてなブログよりはるかにやりやすかったのだ)で生まれて日の浅いころに集中的に取り…

太陽に身を焦がす

「化石の日」である。こと日本においては今年が初めての試みではあるのだが、一応筆者も学界を追放されたわけではない(ちゃんと学会費は払っている)ので、便乗してもたぶん怒られることはないだろう。言うまでもなく自☆演☆乙なわけだが、そういうわけで(…

ラストエンデミズム【ブログ開設5周年記念記事】

↑Skeletal reconstruction of Dryptosaurus aquilunguis, the best-known late Maastrichtian dinosaur in "old" Appalachia, based on holotype and Triceratops horridus, typical chasmosaurine in mid-late Maastrichtian "old" Laramidia, based on SDS…

恐竜王国2012始末記特別編:ティラノサウルスとか羽毛とか

ご存知の方はご存じだろうが、最近定期的に(?)ティラノサウルスの羽毛復元うんぬんの話がネットを騒がせている。ネットに流れてる話は実際しょうもない部分が大きい(本ブログを含めて、ね)のだが、実際問題大型獣脚類にどの程度羽毛を生やすかは意見の…

みなみのはなし

妙にアラモサウルスの記事の反響がデカくて怯える筆者である。正直あまり信用してほしくない図でもあったりする(いつものことでもある)のだが、実際問題ペロー博物館の標本が記載されるまではどうしようもないだろう。うん。 さて、マーストリヒチアンの北…

恐竜王国2012始末記番外編

先日、改めてズケンゴサウルスZhuchengosaurusとフアシアオサウルスHuaxiaosaurusはシャントゥンゴサウルスのジュニアシノニムになってしまった。フアシアオサウルスが命名された頃(つまり恐竜王国2012の開催前である)からこの話は散々言われており、正直…

When Dinosaurs Roamed Appalachia ④

↑アパラチア大陸の代表的な恐竜。上に行くほど年代が新しくなる 前回から番外編2つを挟んだとはいえ3週間近く間が空いてしまったわけであるが、気を取り直して第4回(最終回)。 かつてのアパラチア大陸から発見される恐竜については前回までで触れたとおり…

When Dinosaurs Roamed Appalachia ③

前回で予告したとおり、シリーズ第3回はアパラチア産鳥盤類である。ほとんどハドロサウルス類の話になってしまうがご了承願いたい。 ハドロサウルス類 ↑上段:“ハドロサウルス・ミノール”? 中段:ロフォロトン・アトプス 下段:ハドロサウルス・フォーキイ …

When Dinosaurs Roamed Appalachia ①

↑白亜紀後期の北アメリカ 左:カンパニアン後期 右:マーストリヒチアン後期 North America in Late Cretaceous. Left, Late Campanian;Right, Late Maastrichtian Modified from Colorado Plateau Geosystems, inc. 「困ったときのアパラチア」である(殴 …

性懲りもなくドリプトサウルスやらなんやら

↑ドリプトサウルス・アクイルングイスDryptosaurus aquilunguisの模式標本と“ハドロサウルス・ミノールHadrosaurus minor”?ANSP 15202の骨格図。解説は本文参照 本当なら明日からフィールドに殴りこむ予定だったのだが、台風である。筆者のフィールドは山で…

恐竜王国2012始末記特別編:王氏層群④ 金崗口層・常旺鋪層

始末記特別編も4回目(長い)。前回予告したとおり金崗口Jingangkou層の恐竜について解説したい。また、常旺鋪Changwanpu層についても、今回まとめて紹介したいと思う。 さて、第2次大戦の後も色々とあった中国だったが、もろもろの末に中華人民共和国が成立…

恐竜王国2012始末記特別編:王氏層群③ 将軍頂層

恐竜王国始末記特別編(長い…)第3回は、将軍頂Jiangjunding層の恐竜である。前回と比べて知名度も何もない恐竜たちであるが、興味をもっていただけたなら幸いである。 将軍頂層の発掘が始まったのは1923年と、中国の発掘では最初期にあたる。中国政府(中華民…

恐竜王国2012始末記特別編:王氏層群② 辛格庄層・紅土崖層

【大改編:2015.1.2】 前回に引き続き、王氏Wangshi層群の恐竜について概説していきたい。というわけで、さっそく辛格庄Xingezhuang層と紅土崖Hongtuya層の恐竜から。 辛格庄層の発掘が始まったのは1964年と、王氏層群の中ではわりあいに新しい部類に入る。…

恐竜王国2012始末記特別編:王氏層群①

【大改編:2015.1.2】 【時代論について改訂:2018.1.1】 救いようもなく恐竜が好きな人というのは、おそらくイチオシの「地層」あるいは恐竜相というものが存在するはずだ。筆者の場合イチオシは「トリケラトプス―レプトケラトプス恐竜相」(いわゆるランス…

下甑島の恐竜相

だいぶ前に筆者は下甑島産の角竜に関して記事を書いた。その後調査がどうなったのやらと思っていたら、今度は竜脚類の歯(と体骨格らしきもの)も発見された。どうせなのでつらつらと書き散らかしたい。 下甑島は鹿児島の南西に浮かんでいる。熊本の御所浦か…

モンタナ・デュエリング・ダイナソーズ:延長戦

いまだきちんとした研究が行われていない「Montana Dueling Dinosaurs」だが、最も根本的な疑問がある。 果たしてこの2匹は、戦いの末に相討ちとなったのか? 研究途上なので何とも言えない部分が多いが、ひとつ大きな疑問が残る。 なぜ、ナノティラヌスだけ…

モンタナ・デュエリング・ダイナソーズ:前編

http://www.nature.com/polopoly_fs/7.13826.1384897016!/image/1.14198_Bonhams_Dueling-dinosaurs.jpg_gen/derivatives/landscape_630/1.14198_Bonhams_Dueling-dinosaurs.jpg ↑産出状態を再現した模型。クリーニング初期の段階で製作されたものであり、角…