GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

2021-01-01から1年間の記事一覧

2021年を振り返って

大晦日である。昨年のイベント興行的な地獄はいくぶんマシになったらしい今年であり、特別展はそれなりの規模で開催された――が、流動的な情勢に飲み込まれて関係者が結局地獄を見ていたらしいというのは筆者が書く話ではないだろう。 とはいえ、恐竜科学博は…

再び空へ

↑Azhdarchids from Javelina Formation. Right to left, Quetzalcoatlus northlopi holotype (holotype TMM 41450-3) , Quetzalcoatlus lawsoni (composite; scaled as holotype TMM 41961-1; with skull of TMM 42161-2), and Wellnhopterus brevirostris /…

化石の日なのでみんなで骨格図を描いてみるコーナー

↑Skeletal reconstruction of Tarbosaurus bataar MPC-D 107/2. Scale bar is 1m. 10月15日は「化石の日」である。特別用意しておいたネタがあるわけではないのだが、乗るべきものには乗っておく主義の筆者ではある。 古生物の復元画が化石のなんかしらの普…

廃れゆく泥灰土坑【ブログ開設8周年記念記事】

↑Skeletal reconstruction of associated remains of the last New Jersey dinosaurs. Top to bottom, Dryptosaurus aquilunguis holotype ANSP 9995 with AMNH 2438 (West Jersey Marl Company Pit), lambeosaurinae indet. YPM 3216 (West Jersey Marl Co.…

トロサウルスの向こうへ

↑Skeletal reconstruction of Sierraceratops turneri holotype NMMNH P-76870. Scale bar is 1m. 北米南西部の最上部白亜系、つまりララミディア南部の白亜紀末の地層における恐竜相の話はかつて本ブログで散々に取り上げてきた。どれもこれも断片的かつ保…

星をみるひと

↑Ulughbegsaurus uzbekistanensis (UzSGM 11-01-02 (holotype) and CCMGE 600/12457) and Timurlengia euotica (composite). Scale bar is 1m. ビッセクティBissekty層といえばウズベキスタンの上部白亜系――貴重なチューロニアン(の中期~後期;約9200万~9…

ドリプトサウルスふたたび

↑Skeletal reconstruction of Dryptosaurus aquilunguis holotype (ANSP 9995 and AMNH 2438) and Merchantville dryptosaurid ("holotype" YPM 21795 and "paratype" YPM 22416). Scale bar is 1m. ドリプトサウルスの記事は本ブログなりなんなりで散々書い…

私雨、その後に

↑Skeletal reconstruction of Triceratops horridus "LANE" HMNS PV.1506. Scale bar is about 1m. 古くから知られている恐竜の場合、古くから知られていること――現代的な記載に基づく分類群でないことそのものが厄介な問題を引き起こすことは本ブログで散々…

とあるポールのピーター図

暑かったり寒かったり雨が降ったり降らなかったりする季節である。コラ画像めいた表紙は第三者によるコラージュではなく、グレゴリー・S・ポールの新刊――翼竜のフィールドガイドであった。 さんざん本ブログでは取り上げてきた(いずれ出るであろう第3版のと…

ストークスの影

↑Skeletal reconstruction of Juratyrant langhami holotype OUMNH J.3311-1~30. Scale bar is 1m. ティラノサウルス類の確実な化石記録が白亜紀に限定されていた時代はもはや遠く、ジュラ紀の様々なティラノサウルス類が報告されるようになって久しい。ジュ…

未知の花、魅知の旅

↑Composite skeletal reconstruction of "DPF Zapsalis" Saurornitholestes langstoni largely based on UALVP 55700. Scale bar is 1m for UALVP 55700. いい加減で夏である。どうしようもない情勢にあるのはだいぶ前から変わらずで、とはいえ筆者の出る幕…

第三次継承権戦争

↑Chilantaisaurus tashuikouensis (holotype IVPP V.2884.2 –7; upper row) and Siats meekerorum (holotype FMNH PR 2716; lower row). Scale bars are 1m. 白亜紀“中期”(いわゆるガリック世――バレミアンからチューロニアン)、とりわけセノマニアンからチ…

エニグマ始動

↑Skeletal reconstruction of Elaphrosaurus bambergi holotype HMN Gr.S. 38-44.Scale bar is 1m. エラフロサウルスと聞いた時にあなたが思い浮かべるのはどういうイメージだろうか?筆者はヴェロキラプトルの頭(めいた何か)が据えられていた頃の生まれで…

逆襲のギガンティス

↑Gigantic Tyrannosaurus and Triceratops specimens. Top to bottom, cf. Tyrannosaurus rex (commercial specimen exhibited at Tokyo International Mineral Fair 2017; femoral length:1.36m); Tyrannosaurus rex "SUE" FMMH PR 2081; Triceratops prors…