怒涛の勢いで骨格図を3つ描き、一息ついてなんともなしにググってみたらヒプシベマの資料が引っ掛かったわけである。パロサウルスの記載論文もJSTORに転がっていたので、先日のシリーズもので断念していた骨格図をでっち上げようと思ったのだが、ちょっと意外な発見があったのでメモ代わりに書き記しておく。ヒマな方はちょいとググってフォトショか何かで追試してくれてもいいのよ?
・ヒプシベマの模式標本USNM 7189の尾椎は足の断片と比べてやたらデカい
ヒプシベマの模式標本は脛骨と腓骨の断片、第2中足骨の大部分、そして遠位尾椎からなる。このうち、足の断片に関しては以前描いたハドロサウルスの骨格図にうまいこと当てはめることができるのだが、尾椎がやたらデカすぎるのである。元々ヒプシベマの模式標本はコープに贈られた「化石コレクション」の中に含まれているものであり、産地こそ同じであるものの同一個体に基づいているかどうかは微妙らしい。
だとすると、後肢と遠位尾椎とで主が異なるようにも思える(後肢の破片と遠位尾椎“だけ”が一緒に見つかるというのも考えれば少々妙な気もする)。
実のところ後肢の断片の持ち主は全長10mに届くかどうか(ハドロサウルスの模式標本よりもやや大きい程度)のようである。たった一つの遠位尾椎から全長を割り出すのはさすがにためらわれるのだが、こちらに関しては全長15m程度と考えてもそう問題はなさそうである。
(もっとも、ハドロサウルスの模式標本の遠位尾椎も(グリポサウルスなどと比べて)相対的にだいぶ大きいように思われる。ララミディア産の連中と比べると尾が長めだった可能性もあるのかもしれない。)
結局のところヒプシベマのプロポーションも何もわからないので、模式標本に2ないしそれ以上の個体が含まれているかどうかは微妙である。そういうわけなので、(筆者の中で一応の答えが出るまでは)ヒプシベマの骨格図は寝かせておこうと思うので お 許 し く だ さ い !