GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

性懲りもなくむかわ竜についてgdgdと

 先日の特番(再放送もBSということで、持たざる者は結局オンデマンドに頼るほかないようだ)はすべて一連の計画のうちであったらしい(このあたり、色々な流れというか動きが見える)。クリーニングの終わった(厳密にいえば、まだ(そして究極的にはひょっとすると未来永劫)未同定の破片がかなり残っているというのだが)むかわ竜の化石が報道公開され、ここに改めて全容が示されたわけである。
 プレスリリースに書かれていることが現状のほぼ全てであり、またむかわ竜の全容について写真以上に語れることは少ない(そして賢明なるげったうぇーとらいくの読者諸氏には現状それで十分すぎるはずだ)。少なくともこのタイミングで筆者ごときが何かを書く必要はないだろう(やるべきことは他にあるのだ)。

 そうは言いつつ何度も書いていることだが、(しばしばNHKの映像に現れるCGとは違って)むかわ竜はサウロロフス亜科のなかではわりあい小顔ですらりとした部類に入るようだ。ブラキロフォサウルス族のような特に華奢なグループと比べて四肢はなお華奢といってよく、このあたりは(全長7mを超えるサイズであるにも関わらず)まだ亜成体であることを示しているのかもしれない。
 頭骨は驚くほど(あらぬ心配をするほどに)大きくアップの写真が掲載されており、色々なことが読み取れる。頬骨と前前頭骨-前頭骨-後眼窩骨コンプレックスの様子から(ひょっとすると亜成体の可能性があるにも関わらず)眼窩は上下非対称性がかなり強いことがうかがえ、このあたりは(小顔であるにも関わらず)エドモントサウルス族やサウロロフス族と似ているようである(鼻骨-前頭骨クレストの気配はなさそうなのだが)。一方で、これほどまでにスレンダーな歯骨をもつハドロサウルス類はめずらしいものでもある。

 この先むかわ竜関連で大きな動きがあるのは、たぶん命名か全身骨格の完成のタイミングだろう。どちらが先になるかはわからないが、どちらにしても本業でこの時代を扱っていた筆者にとっては(勝手に)感慨深い話である。

(賢明な読者のみなさまはとっくにお気づきの通り、むかわ竜の右歯骨の内側面や左歯骨の外側面には大小さまざまな穴が開いており、死後それなりに長時間にわたってばらけた頭骨が海底面に露出していたらしいことをうかがわせる(歯骨の穴のいくつかはかなり大きく、ひょっとすると何かの噛み痕なのかもしれない)。産状の詳細が明らかになるのは先の話だろうが、このあたりむかわ竜はまた色々と語ってくれることだろう。)