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恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

ちょこっとむかわの話

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↑和泉層群北阿万層産ランベオサウルス類。図示したほかに複数の遠位尾椎や頚肋骨らしきものが知られている。
Lambeosaurine from Kita-ama formation(early Maastrichtian) of Izumi group, Japan. Some caudal vertebra and cervical ribs also found.

 またしてもひろさんのブログを勝手に参照させていただくわけである。非公式な情報ではあるが、例のむかわのハドロサウルス類はランベオサウルス類である可能性も出てきたらしい。

 古生物学会の発表(のアブスト)では尾椎の特徴からサウロロフス類の疑いアリとされていたむかわのハドロサウルス類であるが、指の長さの比率や歯の特徴はランベオサウルス類の可能性を示唆しているらしい。むかわのハドロサウルス類がランベオサウルス類であるならば、ここで急浮上するのが淡路島から発見されているランベオサウルス類の存在である。

 淡路島のランベオサウルス類は上の図に示したとおり、1個体分の限られた部位しか知られていない。もともとはもっと完全度の高かった標本らしいのだが、工事で破壊されてしまったらしい。かなり状態のよい歯骨が残っていたのは幸いであった。
 この淡路島のランベオサウルス類はむかわのハドロサウルス類と同年代(マーストリヒチアン初期、7200万年前ごろ)である。予察的な研究によれば少なくともこの淡路島のランベオサウルス類は新属新種であるらしい。むかわのハドロサウルス類と同種の可能性もままあり、今後かなり重要な意味をもってくるだろう。

 また、むかわのハドロサウルス類については(報道のあった)上顎骨以外の部位も確認されており、種の識別は容易につきそうであるらしい。今後が楽しみである。

 本記事を合わせて3回もむかわのハドロサウルス類がらみの記事を書いてきたわけだが、筆者がここまでこだわる理由は単純である。筆者のフィールドと蝦夷層群函淵層、和泉層群は年代が重なるのである。翼竜の肩甲骨とモササウルス類の尾椎は出た、あとは……。