GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

2015-01-01から1年間の記事一覧

あぶないはなし

もろもろの事情で2月はブログの更新がとびとびになっていたわけである。もろもろというのは6割がた追い出しコンパなのだが、残りの4割は本業の方である。 本業とは言っても、筆者の卒業研究は某県の上部●亜系から産出する化石の再検討で、古生界や新生界は対…

“ティタノサウルス”・コルバーティ

↑Skeletal reconstruction of Isisaurus colberti. Based on selected elements of ISIR 335/1-65(holotype). Scale bar is 1m. 本ブログでは折を見てインドのラメタLameta層産の恐竜を取り上げてきた。いろいろな意味で泣きたくなるような化石ばかりなのだ…

世界最大の恐竜博2002始末記 延長戦②

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/34/Apatosaurus_skull.jpg/800px-Apatosaurus_skull.jpg ↑Skull of "MaX", referred specimen of Galeamopus sp . From wikipedia. 特に狙ったわけでもないのだが、ここ数日我ながらかなりのハイペー…

科博のリニューアルについてgdgd妄想するコーナー

旅に出たりフィールドへ行ったりでほったらかしにしていたのだが、先日科博のリニューアルに関するプレスリリース第一報が出た。また、それに関連してこういうニュースも出ている。うかうかしているとあっという間に7月なので、ここらでテンションを高めてお…

西へ・・・。⑤ 特別展 スペイン 奇跡の恐竜たち

前回 いのちのたび博物館を見学したあと、大阪にて某絵師のRさんと合流してあっちこっち案内してもらった筆者であるが、その話は省略する。翌日、nさんと合流して大阪市立自然史博物館に「スペイン 奇跡の恐竜たち」を見に行ったわけである。 福井開催時に行…

西へ・・・。④ 北九州市立いのちのたび博物館

前回 今日のフィールド調査も空振りでした。おわり。 御船町恐竜博物館を見学したのち、筆者は新幹線で北九州まで戻り、北九州市立いのちのたび博物館(正式名称は北九州市立自然史・歴史博物館である)へと向かった。 博物館は非常に大きい。そばの道を歩い…

西へ・・・。③ 御船町恐竜博物館

前回 今日のフィールド調査は空振りでした。おしまい。 徳島県博を見学した筆者は、翌日一気に熊本まで新幹線でひた走った。熊本駅が妖怪に乗っ取られていたのは置いといて、御船町恐竜博物館である。 御船町恐竜博物館は館内の写真のweb公開はNGということ…

西へ・・・。② 徳島県立博物館

前回 おかげさまでフィールド初日はなんと(←オイ)成果があった。破片ではあるが、同定は割と可能そうである。 そういうわけで博物館レポート一日目、いってみよー! 筆者が初日(3/18)に訪れたのは徳島県立博物館(徳島市)である。もともと本業の絡みで訪…

西へ・・・。①

「おや、どうしたんだろう(無能)」 アキラってふとましい奴だなー どうにか旅から帰ってきた筆者である。徳島→熊本→福岡→大阪を4日で回るという強行軍ではあったが、それに見合う旅であった。大阪ではRさん(ゾイド絵師兼小物モデラー)とnさん(ついったで…

タニウス

↑Skeletal reconstruction of Tanius sinensis. Based on type specimens. Scale bar is 1m. これといって華がない(失礼)のにも関わらず、なぜか好きなものというのは少なからずあるだろう。そういうわけで筆者はなぜかタニウスが好きである。 前々から骨…

大阪のスペイン恐竜展についてgdgdと

のんびりZナイトの改造(頑張って今月中にはゼロスにしたい)などしていたら、「スペイン 奇跡の恐竜たち」開催まで1週間ばかりになってしまった。色々あってロクに紹介していなかったような気がするので、ここらで気合を入れて(筆者のテンションを高めるた…

コシサウルス・カツヤマ

↑Preliminary skeletal reconstruction of Koshisaurus katsuyama. Based on available materials (probably same individual; include holotype FPDM-V 9079). Scale bar is 1m. なかなか日本でのメディア発表がなかったのでやきもきしたのだが、ようやく情…

私の愛したトリケラトプス③

↑Comparison of right squamosal of Maastrichtian chasmosaurines. A, Triceratops horridus MOR 1120. B, Triceratops prorsus MOR 2702. C, "Triceratops sternbergii" AMNH 5116. D, Torosaurus latus SMM P97.6.1. E, Torosaurus latus MOR 1122. F, "T…

生存報告(?)

色々(突き詰めればひとつのことに行き着くが)あった頭痛の種もどうにか取り除き、ようやくまともに更新できる環境が戻ってきた。とか言いつつ仕込みが全く進んでいないので、平常運転に戻るにはまだ少しかかりそうである。 そんなこんなでここ1ヶ月余りの…

American last Sauropods補足

ヤマは越えた(迫真)のでこの先生きのこれば筆者の勝利である(フラグ)。リクエストもあったので、先日のアラモサウルスの記事の補足をしておきたい。 Pelvic girdle of Maastrichtian sauropods from southwestern USA. PMU 24805 and USNM 10487 are not…

リンク先追加

pixivの古生物・恐竜イラストでおなじみK-TAさんによるAncient Ruler ~太古の支配者~をリンク先に追加しました。 渋の人気恐竜絵師さんということで、美麗なイラストを目当てにするもよし、丁寧な解説を楽しむもよし、マニアックな伝説ネタ(さすがにメガ…

みなみのはなし

妙にアラモサウルスの記事の反響がデカくて怯える筆者である。正直あまり信用してほしくない図でもあったりする(いつものことでもある)のだが、実際問題ペロー博物館の標本が記載されるまではどうしようもないだろう。うん。 さて、マーストリヒチアンの北…

ゾイドのモチーフについて考えてみるコーナー①

さて(唐突)、恐竜・ガンダム・ゾイドは筆者の主要な構成要素を占めています。そこかしこに仕込まれたガンダムとゾイドネタに気付いた人もいただろう?(馴れ―ション) ちょこちょこリクエスト(そんなこともない)があったりもして、今回は何となくゾイド…

American last Sauropods

↑Left, "Juvenile Alamosaurus" TMM 43621-1. Center, composite of "Rough Run Titanosaur" TMM 45890-1 (tibia), 45890-2 (ungual), 45891-1, 2, 4, 12, 13, 15, 16, 17 (dorsal vertebrae and pelvic girdle), 45891-9 (caudal vertebra), 45891-10 (hume…

近況など

色々忙しかったりで1週間放置である。山は越えてるんだか超えてないんだかよくわからない状況で、正直なところ来週いっぱい記事のまともな更新ができるかどうかよくわからない。 とある方のご厚意で大量の資料をいただいたので、(まともな)更新が再開でき…

最近のもろもろ

メイトリクス「平常運転に戻ると約束したな、あれは嘘だ」 ボルガ博士「うおー」 サリー「うわー!!」 ゼミが終わったと思いきや身の回りで色々あって(時間はあるにはあったが)記事更新どころではなかった筆者なのだが、ひとまず山を越えた気がする(フラ…

フクイティタン

↑フクイティタン・ニッポネンシスの骨格図。 図示した以外に歯や部分的な頸椎1つ、座骨や足の末節骨も知られている。 スケールは1m Skeletal reconstruction of Fukuititan nipponensis FPDM-V8468(holotype). Tooth, cervical neural arch, fused ischia, p…

新顔お披露目

ゼミ発表はどうにか切り抜けた筆者(大袈裟)である。先日取り上げた新たな角竜がお披露目されたので、適当に書いておきたい。 首から後ろの保存状態も悪くないという話だったのでもしやと思ってはいたのだが、なかなか良い出来の復元骨格である。3Dプリンタ…

私の愛したトリケラトプス②補足

需要をNT的なカン(大嘘)で察知したので、前記事の補足のためにいくつか図を挙げておこうと思う。 ↑Lull, 1933より、ランス層におけるトリケラトプスの相対的な産出層準を示した表。全て相対的な位置関係である点に注意。限定的な層序学的データに基づいて…

私の愛したトリケラトプス②

予告なしにだいぶ間が開いたのだが、これは単に筆者が本業で忙しかっただけの話である。なんとかまぁ、無事にゼミを迎えられそうな雰囲気である。タイトルどうしよ…。 さて、トリケラトプスと言えば現在T.ホリドゥスhorridusとT.プロルススprorsusが有効なの…

フクイラプトル

↑フクイラプトル・キタダニエンシスの模式標本FPDM 97122(の大部分)と FPDM 9712243、FPDM 9712229(参照標本)。スケールは1m Skeletal reconstruction of Fukuiraptor kitadaniensis. Based on FPDM 97122(Holotype), FPDM 9712243 and FPDM 9712229(reff…

gdgdきょうりゅうばなし

1月早々にgdgdシリーズであるが、これは本業が地味に忙しくて仕込みが追いついていない(が筆者としては3日にいっぺんくらいは更新しときたい)ことによる。トリケラトプスのネタは来週あたりを楽しみにしておいていただきたい。 さて、福井から非常にいい感…

2015年展望

さて、すでにあちこちで今年の恐竜展の情報が出てきている。時事ネタは筆者のテンションによって便乗したりしなかったりするのだが、せっかくなので遅まきながらではあるが紹介したい(とりあえず毎度ながらひろさんのブログはイベント情報が早いんだなこれ…

巨型山東龍

↑シャントゥンゴサウルス・ギガンテウスの骨格図 (主にGMV 1780-1(模式標本)とGMV 1780-2に基づく)。 プロポーションの正確性には疑問の余地がある。 “第38尾椎”を除いては基本的にHu et al.(2001)の計測値に基づく。 スケールは1m Skeletal reconstruct…