そういうわけで博物館レポート一日目、いってみよー!
筆者が初日(3/18)に訪れたのは徳島県立博物館(徳島市)である。もともと本業の絡みで訪れようと思っていたところなのだが、なんとここには「チタノサウルス」が展示されているという。最近ティタノサウルス類がマイブーム(?)ということもあって、行かない理由はないわけである。
博物館は美術館や図書館などと隣接(というか同じ建物)しており、博物館そのものはこじんまりしている。とはいえ、自然だけでなく地元の文化・歴史関連の展示もうまく詰め込んでおり、なかなかよくできている。
受付の前には、ミンククジラの骨格が吊り下げてある。クジラとしては小さい部類(9m弱)ではあるが、なんだかんだ目の前にぶら下げられると大きいものである。
ここでの目玉(記念撮影にちょうどいいだろう)が、このパラプゾシア・セペンラデンシスParapuzosia seppenradensisのレプリカである。世界最大のアンモナイトの標本(ドイツで1895年に採集された)のレプリカであり、保存された部分だけでも直径1.8m、欠けた住房を復元すれば、直径は推定で2.55mになるという馬鹿でかい代物である。一緒に保存されているイノセラムスも地味にかなりデカいことがお分かりいただけるだろう。
ステノプテリギウス(sp.)は割とどこにでもいるのだが、幼体の実物「だけ」というのはあまり見ない気がする。かわいいぜ…。
恐竜の展示は妙にマニアックである。ティタノサウルス類の復元骨格を常設展示している博物館はそうない。
で、これが問題の「チタノサウルス」である。拍子抜けするほど小さな骨格で。隣のティラノサウルスAMNH 5027のレプリカと比べると驚かされる。
手前の怪しげな頭骨はティロサウルス・プロリゲルTylosaurus prorigerである。
種小名を見れば分かる通り、ラプラタ大学からはるばるやってきたこの復元骨格は、ネウケンサウルスNeuquensaurusである。サルタサウルス科の復元骨格といえば、世界的に見てもあまり数が出回っていない(はず)。さりげなくレア度はかなり高いと思われる。
ねずみ男みたいな頭骨(失礼)だが、これはヒューネによるアンタークトサウルスAntarctosaurusの頭骨の復元に基づいていることによる。元の骨格の組み立てはかなり古いはず(1930年代?前肢の指が復元されてたりなんだり)で、そういう意味でも結構貴重だろう。
レプリカだが、こんな感じの産状化石もある。吻の変形がちょっと気になるところである。
このプシッタコサウルス・メイレインゲンシスPsittacosaurus meileyingensisは実物である。よくある「お座り」ポーズである。
さりげなく恐竜に混じるパレオパラドキシア(田邑標本)。
というわけで(?)みんな大好きメガテリウムMegatherium americanum。名前の通りやたらデカい。手を伸ばせば届きそうな位置に爪があるのがまたスリリングである。
なぜか肋骨がほとんど復元されていないマクラウケニアMacrauchenia patachonicaと、スクレロカリプトゥスSclerocalyptus ornatus。頭の鎧を外してくれるサービス精神が嬉しい。
と思ったらパノクトゥスPanochthus tuberculatusはまさかの全裸である。なかなかこういう展示形態も珍しい気がする。
おなじみトクソドンToxodon platensis。がに股でちょっとかわいい。
ステゴマストドンStegomastodon platensis。すっごいおっきい(小並感)。
ネウケンサウルスにしろパタゴニアの哺乳類化石にしろ、ラプラタ大からの寄贈組は、国内ではまとめて見る機会はあまりないと思われる(日本というか、アジアにおけるネウケンサウルスの展示はここだけだろう)。それから、個人的には(多少古くなってはいるが)丁寧な作りの展示キャプションも好印象であった。
アクセスもそこそこ良好(公共交通機関で帰るのが少々しんどいが)なので、パタゴニアの哺乳類組がお好きな方(なにしろすれすれまで接近して観察できる)、レトロな組立骨格がお好きな方(不幸にしてAMNH 5027はモダンスタイルである)には胸を張ってオススメである。こじんまりした施設ではあるが、化石以外にもマニアックな展示品(ホラーっぽい人形を含む)があるので、機会があれば行かれると良いだろう。
おまけ
怪獣総進撃の再編集版とか初耳なのぜ・・・(特撮は素人に毛が生えた程度の知識の男)。
→次回