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恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

世界最大の恐竜博2002始末記 延長戦②

↑Skull of "MaX", referred specimen of Galeamopus sp . From wikipedia.

 特に狙ったわけでもないのだが、ここ数日我ながらかなりのハイペース更新である。1月2月と色々あってほったらかし気味だったりもしたので、その辺のうっぷんを晴らす意味もある。

 さて、スイスのアータル博物館といえば恐竜博2002でおなじみである。本ブログでも何度か紹介してきたとおり、恐竜博2002で展示された標本の多くは、ここ数年新属になったり別属として同定され直したりと活発な動き(?)をみせている。
 恐竜博2002で展示された「アパトサウルスの一種(“MaX” 図録の32、33ページ参照)」だが、どうもこれが新属"Galeamopus"として記載されるようである。4月のうちには出版されるらしい。ドイツ語で書いてあるので良くわからないのだが、プレスリリースをざっと眺める限り、ディプロドクス・ハイイDiplodocus hayiを新属"Galeamopus"に移し、"Galeamopus" hayiとするようである。つまるところ、“MaX”は模式標本ではなく、参照標本ということらしい。
 ディプロドクス・ハイイはヒューストンに模式標本(後頭部を含む部分骨格)をベースにした復元骨格もあったりするのだが、恐らく保存状態に関してはMaX(ほぼ完全な頭骨を含む骨格の大部分)の方が上である。この辺、カテトサウルスと同じパターンのようだ。
 
 もともとMaXはアパトサウルス属とされていたわけで、従来ディプロドクス属とされていた"D".ハイイと同定したあたりは興味深い。モリソン層もなんだかんだ目が離せないのである。

◆追記◆
ガレアモプス sp.とされていたMaXことSMA 0011は、このたびガレアモプス属の新種ガレアモプス・パブスティGaleamopus pabsti のホロタイプとなった。首から後ろの要素(なにしろMaXは尾を除けばほぼ完全な骨格である)についても詳しく記載されており、色々とめでたしめでたしである。