もろもろの事情で2月はブログの更新がとびとびになっていたわけである。もろもろというのは6割がた追い出しコンパなのだが、残りの4割は本業の方である。
本業とは言っても、筆者の卒業研究は某県の上部●亜系から産出する化石の再検討で、古生界や新生界は対象ではない。対象ではないのだが、某県の中新統でとてつもない化石が産出したために、そちらにも絡むことになってしまったわけである(大変喜ばしいことであるし実際興奮を抑えられない筆者でもある)。
あまりここでうかつなことは書けないのだが、産地は一応伏せているので思い切って書いてしまおう(ヤバかったら跡形もなく消すので今のうちにコピペをば)。某県の中新統中部(年代は中新世中期;1650万年前)から、鼻行類Rhinogradentia(Nasobameの方が通りがいい)の化石が出た。
この地層(名前は伏す)からは近年極めて状態の良いゾウ類の化石が見つかっている。問題の化石は、ゾウ類のクリーニング中に、母岩から姿を現したのである。最初は食虫類かと思われたのだが、色々厄介な代物であった。
そういうわけで筆者は勉強も兼ねて、件の化石を携えて、岡●化石研究所(迷惑をかけるといけないので一応伏字)にはじめてのおつかいに行かされたりなんだりしていたわけである。ご存じ●村化石研は微小化石の研究で世界的に有名だが、実は化石鼻行類の標本もちょいちょい所蔵している(日本で他に所蔵しているのは科博と東大博物館くらいである。世界的にもあまりない)。鼻行類のなかでも基盤的なグループである原鼻類の骨格は食虫類とよく似ているわけで、よもやと思ったうちのボスにおつかいを頼まれたのであった。
で、結果は案の定であった。ゾウ類(近いうちにモノグラフが出ると思われ)と一緒に見つかった部分骨格(後頭部と肩帯、部分的な後肢)には、原鼻類―――ムカシハナアルキ―――の特徴が見られたのである。