さりげなくシャントゥンゴサウルスの鼻骨やらが図示(画質がもうちょっといいと良かったんだけど)されており、シャントゥンゴサウルスの骨格図を(よせばいいのに)書き始めた筆者である。あと1か月以内には例のハドロシンポまとめ本が届くようなので、1月中にはシャントゥンゴサウルスの記事が書けるだろう。
で、本題はここからである。なんともなしにシャントゥンゴサウルスをひたすらググっていた(シャントゥンゴのプロポーションをどうするかで小一時間悩んだ男)ところ、こんな論文(一番上のpdf)を見つけた。諸城のボーンベッドに関していくつか新情報が出ていたので、軽く紹介しておきたい。
角竜類
以前紹介したこの角竜は、(筆者の見立て通り)レプトケラトプス科の新属であるらしい。現在研究中であるといい、そう遠くないうちに記載されると思われる。頭骨が少々残念なことになっている(とはいえ歯はちゃんと残っているし、頭頂骨も保存されているように見える)が、関節のつながった状態であり、色々と楽しみである。シノケラトプスSinoceratopsやズケンケラトプスZhuchengceratopsと共存していたわけで、興味深いところである。
もうひとつ、ネオケラトプス類とされている(それ以上の突っ込んだ分類には言及されていない)部分骨格もある。これについても新属である可能性が指摘されており(写真の画質が悪すぎてなんとも言えないが)、現在研究中であるという。
さらに、関節した2体の小型角竜が寄り添った状態で発見されている。画質が悪いが、写真を見る限り1体は頭骨が完全に残っているようである。とりあえず頭骨はレプトケラトプス風味に見えるが、分類については言及されていない。2体とも幼体であるといい、他の小型角竜でしばしば報告されている“幼体のみの群れ”の例であるようだ。
獣脚類
諸城のティラノサウルス類と言えば、ズケンティラヌスZhuchengtyrannusと、もうひとつ(ZCDM V0030とV0032:タルボサウルスに酷似しているらしい)が知られている。(さらに“ティラノサウルス・ズケンゲンシスTyrannosaurus zhuchengensis”も記載されているが、これは疑問名としておくしかないだろう)
これに加えて、「ほっそりして長い」ティラノサウルス類の歯骨も発見されている。他のティラノサウルス科と比べて小さいものであるといい、歯骨の背側後部が膨張しない(=上下に高くならない?)とのことである。なにかの幼体のような気もするが、とりあえずかなり原始的なティラノサウルス類の可能性があるという。写真の画質が悪いのが残念なところであるが、研究中ということなので今後に期待したい。
個人的に色々と恐竜王国2012は不完全燃焼だったりして、この辺の新情報はちょこちょこ拾っていきたいところである。とりあえず、Hadrosaursが届くのを指折り待っている筆者であった。