【大改編:2015.1.2】
【時代論について改訂:2018.1.1】
救いようもなく恐竜が好きな人というのは、おそらくイチオシの「地層」あるいは恐竜相というものが存在するはずだ。筆者の場合イチオシは「トリケラトプス―レプトケラトプス恐竜相」(いわゆるランス期のララミディア北部の恐竜たち)なのだが、二推しこそ今回紹介する「王氏層群Wangshi Group」の恐竜たちである。
王氏層群は下から順に(古い方から順に)辛格庄Xingezhuang層、紅土崖Hongtuya層、将軍頂Jiangjunding層、金崗口Jingangkou層(金剛口と表記する場合アリ)、常旺鋪Changwanpu層に区分される。
絶対年代はおろか相対年代すらもいまいちはっきりしておらず、最近でも文献によっては、辛格庄層:セノマニアン~チューロニアン(1億50万~8980万年前)、将軍頂層:コニアシアン~サントニアン(8980万~8360万年前)、金崗口層:カンパニアン(8360万~7210万年前)、常旺鋪層:マーストリヒチアン(7210万~6600万年前)とされていた。
7290万年~7350万年前という絶対年代の得られた玄武岩は、紅土崖層ではなく実際には金崗口層のものであるという。紅土崖層では7600万年前を示す火山灰が得られているという話もあり、このあたりを総合すると、実際には辛格庄層がカンパニアン前期~中期、紅土崖層がカンパニアン後期(の前半)、将軍頂層がカンパニアン後期(の中ごろ)、金崗口層がカンパニアン末、常旺鋪層がマーストリヒチアン前期といったところであるらしい。
王氏層群の発掘が始まったのは1923年にさかのぼる。発掘が始まったのは中国でも最初期の頃になるわけだが、現在に至るまで盛んに発掘・研究がおこなわれている地層でもある。最初は将軍頂層、次いで金崗口層、そして1960年代から現在に至るまで辛格庄層と紅土崖層の発掘が進められている。恐竜王国2012で取り上げられた「諸城のボーンベッド」こそ、最大の発掘成果であった。
なんだか層序云々で話が終わったけど次回につづく!