GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

2021年を振り返って

 大晦日である。昨年のイベント興行的な地獄はいくぶんマシになったらしい今年であり、特別展はそれなりの規模で開催された――が、流動的な情勢に飲み込まれて関係者が結局地獄を見ていたらしいというのは筆者が書く話ではないだろう。

 とはいえ、恐竜科学博は台風の目であったし、福井は(来年度は工事があるため、リニューアル前の夏の大型企画展は今年で一区切りである)相変わらず…と見せかけて、関係先の凄まじい尽力で冬まで会期が延長されるという事態になった。1年越しの開催となったポケモン化石博物館は三笠会場が会期半ばで事実上の強制終了ともなってしまったが、それでも鳥取会場とあわせてたいへん賑わっているようだ。おっかなびっくり描いた版権ものはとりあえず好評だったようで何よりである。1時間完全入れ替え制の状況が続いているとはいえ、新設された長崎市恐竜博物館もにぎやかなようである。

 研究の状況は今年も変わらず活発だった(ヤマトサウルスの骨格図をものすごい勢いで描いたという話はここには書かない)が、筆者としてはケツァルコアトルスのモノグラフに全てを持っていかれたような気分である。長年「うわさ」以上の研究成果が表に出ず、分類学的にかなりろくでもない事件が起こったりと波乱万丈があった中で、大口の個人スポンサーの寄付でもってオープンアクセス化されるという、今日のもろもろの集大成のような代物でさえあった。

 

 筆者としてはここ数年、毎年毎年激動の1年だったわけだが、今年はその中でも特にそうであった(ボジョレー・ヌーヴォーのキャッチコピーではない)。幸い各方面から(それもかなり新規開拓で)声をかけていただいたわけで、ありがたい限りである。1年半ほどひっそりと進めていた話はここにきて一気に動き出し、とりあえず来年の夏までには表に出すことができそうだ。

 

 そんなこんなで来年も相変わらず先の見えない年にはなりそうだが、とはいえポケモン化石博物館のかはく巡回を皮切りに、夏には化石ハンター展の開催も控えている。とりあえず色々と刮目して待ってほしいところだが、さて。