GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

科博リニューアル

とっくに報道済みである。国立科学博物館の恐竜展示(などなど)がリニューアル工事に入った。筆者としては閉まらないうちに行っておきたかったのだが、福島巡検(しんどかった(小並感))だったりで結局行けずじまいであった。

 さて、どのようなリニューアルがおこなわれるのか気になるところである。ひとつ重要なポイントとして、増改築するわけではない点があげられる。つまり、展示標本の入れ替わりはあってもトータルの数はあまり変化しない(できない)ということだ。
 具体的な内容についてはひろさんのブログが詳しい。以前にも引用させていただいたのだが、今回も参照させていただこう。

・主にフロア形状を改修
パキケファロサウルスの全身骨格レプリカを実物化石に置き換え
・シチパチの全身骨格レプリカを抱卵姿勢で展示
・ひょっとしたらトリケラトプス(レイモンド)を組み立てるかも

主なリニューアルの内容に関しては以上の通りだそうである

 フロア形状については、メイン部分がどうしても詰め込みすぎて余裕のない感じはあったところである。具体的にどう改修するのかはわからないが、少なからず見学しやすいレイアウトにはなるのだろう。

 パキケファロサウルスの全身骨格は興味深いところである。従来展示されていた「サンディ」の原標本はロッキー山脈恐竜資源センター(RMDRC。トリーボールド社の展示施設である)に展示されており、恐らくはこれを科博に移す(というか購入?)のだろう。サンディの復元骨格ではいくつか問題点も見られ、新しく復元される実物骨格で解消されることを期待したい。
 シチパチの全身骨格というと、恐らく有名なザミン・ホンド標本(GI 100/42)のレプリカをもってくるのだろう(とか言いつつ、模式標本かもしれないが)。いずれにせよ素晴らしい保存状態であり、抱卵姿勢でぜひ見てみたい標本ではある。
 問題はレイモンドである。組み立てるかどうかについては7月時点では未定であったようだが、筆者としてはぜひ解体すべきだと思っている。
 「産状(実際には頭骨が復元されているわけだが)」についてはBHIがレプリカを制作しており、そういう意味ではすでに原標本を産状にとどめておく必要性は薄れている(さらに言えば、レイモンドの手と足、特に手についてはすでに分離・クリーニングされていたりもする)。
 レイモンドの場合、解体して詳細な骨学的記載をおこなうことが期待されるわけである。極端な話、クリーニングしてCT(レーザーでもいいが)スキャンしておけば、あとは組み立てようが収蔵庫に収めようがどうとでもできるわけである(さらに言えばレイモンドの場合、組立骨格を制作しようとすると左半身を補うためにスキャンは必至であろう)。ただ組立骨格にするだけではなく、研究も期待されるわけである。

 適当なことをつらつら書いたわけだが、実際のところはふたを開けてみるまで分からない。とりあえず、来年の7月を楽しみに待つべきだろう。