GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

スピノサウルス新復元

↑新たに製作された「full-scale model of Spinosaurus」 ナショナルジオグラフィックより

ご存知の方も多かろう。スピノサウルスの新復元が(わずかに)公開され、話題となっている。

 スピノサウルスと言えば、知名度の割に(まともな)化石は驚くほど少ない。ここ20年あまりの近縁種の発見や新標本の発見でようやく妥当な程度に正確な復元が可能となったが、それでもなお不明な点は多い。「帆」の復元は非常に難しいのである。
 さて、今回発表されたのは、ナショナルジオグラフィックによる特別展示のために製作されたスピノサウルスの復元骨格の写真である。いかんせん特別展は9月からであり、現時点では具体的な情報に乏しい。

 とりあえず写真を見る限り、帆が後位胴椎の上で凹んでいるのが気になるところだろう。イクチオヴェナトルIchthyovenatorを参考したにしては、やや趣が異なる。きちんと番号の特定できる、状態の良い胴椎が発見されたということなのだろうか?(イクチオヴェナトルの場合、帆は凹むというよりも切れ込む。また、切れ込みの位置は後位胴椎ではなく第1仙椎にあたる)
 筆者としては実のところ、帆の形態よりも全体のプロポーションに目が行く。写真には若干パースが付いているようだが、異様に胴体と尾が長く見える。スピノサウルスはテタヌラ類の中では胴長の部類に入るのだが、それにしても長い。従来の復元でここまで胴長にしたものは見たことがない気がする。
 尾に関しても、とんでもなく長い。添えてある復元図を見ると、その凄まじい長さがよくわかる。筆者の初感ではあるが、復元骨格の全長は20mに届きそうにすら思える。(もっとも、念のために書いておくと、サイトには“over 50 feet long”とだけ記されている。60フィートには届かないということだろう)

 この骨格に関する情報は、そのうちちらほらと解禁されていくことだろう。従来知られていた骨格要素のみで復元したのか、それとも新標本の情報も取り入れているのか。取り入れているとしたらどのくらいか。サイズはどのくらいなのか。色々と気になるところだが、とりあえず待つしかないのが現状である。