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恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

世界最大の恐竜博2002始末記④

 前回から間が開いてしまったが、恐竜博始末記第4弾である。今回は、「オスニエリア」についてつらつらと書いていきたい。

 さて、モリソン層の鳥脚類といえば、あなたはいくつ挙げられるだろうか。最近になって種類が増えたりでややこしいが、オスニエリアは有名どころであろう。
 恐竜博2002では、見事な「オスニエリア」の実物化石が展示されていた。ハウ発掘地はSクオリー、ビッグアル2と重なり合った状態で発見された「Barbara」である。「オスニエリア」の中で最も完全な標本であり、下腕部を除いて完全な状態であった。

 ところで、「オスニエリア」と言えば非常に複雑な命名の経緯を経ている。1877年に遊離した大腿骨に基づきナノサウルスNanosaurus属の新種としてN.レックスrex命名され、1978年になって新属オスニエリアOthnieliaが提唱された。一方、1894年には首なしの骨格に基づいてラオサウルスLaosaurus属の新種、L.コンソルスconsors命名された。L.コンソルスは一時的にオスニエリア・レックスのシノニムとなったが、後にオスニエリア・コンソルスとして種の有効性を認められた。

 さて、ここまで書けばカンの良い方はピンとくるだろう。最近になって、オスニエリア・レックスの模式標本(大腿骨)には、属を定義するだけの特徴がないことが明らかになった。再検討の結果、従来オスニエリア・レックスとされてきた骨格(頭部と尾を欠く)はO.コンソルスの模式標本(首なしの骨格)と同じ種に属することが判明した。が、オスニエリア属の模式種はもはや疑問名となってしまったわけである。
 そんなわけでここに、オスニエロサウルス・コンソルスOthnielosaurus consorsが誕生した。Barbaraがオスニエロサウルスなのは言わずもがなである。

◆追記◆
 すったもんだの末、オスニエロサウルス・コンソルスそしてドリンカー・ニスティはどちらもナノサウルス・アギリスのシノニムとなった。レアな割にやたら多様とみられていたモリソンの「ヒプシロフォドン類」だが、結局特に多様というわけでもなさそうである。