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恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

復活のブロントサウルス

↑ディプロドクス科の系統図。Tschopp et al. (2015)より

 先日新たなディプロドクス科恐竜が記載されるという話をちょこっと書いたのだが、実際に出版された論文はとんでもない代物だった。ディプロドクス科のレビューと系統関係の仕切り直しだったのである。

 壮絶なボリュームの論文なので、内容をかいつまんで紹介しようと思う。(個人的な)ハイライトは、


ブロントサウルスが有効属として復活。エオブロントサウルスと“エロサウルス”はブロントサウルス属のシノニムに

・科博のアパトサウルスは(“アトラントサウルス”・イマニスの模式標本YPM 1840と合わせて)アパトサウルス亜科の新属の可能性

・ディプロドクス・ロングスが疑問名になり、D.カーネギーイが模式種に昇格。D.ハロラムがD.ロングスの実質的な代替名に

D.ハイイは新属ガレアモプスGaleamopus

・アータル博物館の標本SMA 0087はディプロドクス亜科の新属新種の可能性

・ディンヘイロサウルスDinheirosaurus属はスーパーサウルス属に統合

ディスロコサウルスDyslocosaurusがディクラエオサウルス科の有効属に(上の図には出ていないが・・・)


 かなり壮絶なことになったが、まぁブロントサウルス属となった一連の種については、そもそもアパトサウルスアジャックスとはだいぶ違うのはポールの洋書を見れば明らかである。それゆえ、そんなに驚きはない。
 個人的にはディンヘイロサウルスの件が一番サプライズであった。

 この論文でも示されている通り、まだまだモリソンMorrison層の竜脚類には再記載待ちの連中がうようよしている。もっとも、モリソン層はやたらレンジが広いので、不自然な話ではない。まだまだ驚かせてくれることだろう。