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恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

北九州産角竜化石

 下甑島の角竜の歯化石の発見(参考記事)は記憶に新しい(断言)が、またまた角竜である。福岡は北九州、1億3000万年前の層から1991年に発見されていたものだという。(The Dinosauria 2nd editionによると、福岡県内の未命名のユニットから?Ceratopsian indet.がOkazaki, 1992によって報告されているという。年代はベリアシアン~オーテリービアンということで130Maという絶対年代と矛盾しない。他の文献の記述も参照すると、どうやらこの標本のことを指しているようだ)
 肝心の化石は歯冠のかなり磨り減った歯が1本だけである。記載論文が古生物学会の学術誌に掲載される(頃合を見計らって大学で読ませてもらおうっと)とのことで、色々と細かな話はしにくい(というかできない)。とはいえ、色々と妄想(←)する分には問題ないだろう。

 さて、1億3000万年前といえば、手取層群や篠山層群よりもやや古い時代となる。手取層群からアルバロフォサウルス、篠山層群から基盤的ネオケラトプシアンの部分骨格がいくつか見つかっているが、年代からして明らかに別のものである。
 世界(実質的にアジア限定になってしまうが)に目を向けてみると、(絶対年代がいまいち安定しなかったりはするのだが)実はちょうど角竜の空白期だったりする。この年代からの角竜は実質的に記載されておらず、その点においては1本とはいえどもかなり重要な発見といえるだろう。