GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

トリケラトプス展についてひたすら妄想してみるコーナー

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ご愛読いただいている皆様にはお気づきのことであろう。筆者は角竜が死ぬほど好きな人である。よって記事が角竜に偏りがちなのは仕方ないね(兄貴風)。

 さて、「恐竜戦国時代の覇者!トリケラトプス ~知られざる大陸ララミディアでの攻防~」の公式サイトがオープンしたわけである。出来たてほやほやなので具体的な内容には乏しい(当たり前)のだが、現在公開されている情報から色々と妄想してみたい。

 トップ絵に描かれているのは、左端から時計回りにインロングYinlong、セントロサウルスCentrosaurusトリケラトプスTriceratops、カスモサウルスChasmosaurus、プロトケラトプスProtoceratops、コスモケラトプスKosmoceratops、ナストケラトプスNasutoceratopsである。このうち、インロングとコスモケラトプス、ナストケラトプスはここ7、8年で命名された属(ナストケラトプスに至っては正式記載が去年の6月)であり、近年目覚ましい進展をみせる角竜の研究の象徴ともいえよう。

 「みどころ」ページには、ズニケラトプスZuniceratopsの復元骨格や、ディアブロケラトプスDiabloceratops、コアウィラケラトプスCoahuilaceratops、ユタケラトプスUtahceratopsの頭骨が出ており、いやがおうにも期待を高めてくれる。コスモ、ナスト、コアウィラ、ユタケラについては、おそらく日本初公開(どいつもこいつも2009年以降の怒涛の記載ラッシュで命名されたものなのだ)である。
(コスモケラとかユタケラの角が横を向いていること等々、ネット上ではセンセーショナルに「ヘンな恐竜」と言われがちであるが、別に筆者は何とも感じない。いい加減色々麻痺してきたようだ)

 また、トリケラトプスについては「ホーマーHomer」(Hommerは誤記のはず)の頭骨のほか、「ケルシーKelsey」の全身骨格も展示されるようだ。ホーマーは日本初公開、ケルシーはたまに展示されるが、筆者は頭骨しか見たことがなかったりするので楽しみである。(隣のティラノ(どうやら恐竜博2009で展示されたものと同じ)の顎関節がアレなのは言うまい)

 このほか、プレスリリースを読む限りではトゥオジャンゴサウルスTuojiangosaurusティラノサウルスTyrannosaurusの全身骨格(珍しさはないが…)のほか、「初期のケラトプス科恐竜と同時代の肉食恐竜の骨格」、「トリケラトプスと同時代の植物食恐竜」も展示されるそうである。

 「初期のケラトプス科恐竜と同時代の肉食恐竜の骨格」というと、最近製作されたテラトフォネウスTeratophoneusやリスロナクスLythronaxのいずれか(あるいは両方)が展示されるということだろう。テラトフォネウスの亜成体は「恐竜王2012」で展示されているが、成体の方の復元骨格やリスロナクスの方は日本初公開のように思われる。

 トリケラトプスと同時代の植物食恐竜」というと、エドモントサウルスEdmontosaurusやらパキケファロサウルスPachycephalosaurus、アンキロサウルスAnkylosaurus、エドモントニアEdmontoniaなどメジャーどころ揃いである。そのあたりでも悪くはないのだが、筆者としてはテスケロサウルスThescelosaurus(元ブゲナサウラBugenasauraの方な!)の復元骨格が見たかったりもするのであった。

 今回の展示のメンバーを見る限り、ガストンデザイン様々である。いいぞもっとやれ。
 
 あまり知られていないような気もするが、「恐竜戦国時代」の名の通り、特にカンパニアン以降の北米は、様々な角竜が血で血を洗う舞台だったともいえる。
 (化石記録上では)突如として現れたセントロサウルス類が南部のイニシアチブを取りつつ、ひっそりと派生的セントロサウルス類やカスモサウルス類が北部に出現したらしい(そしてアジアに出戻った)カンパニアン前期。
 派生的セントロサウルス類が爆発的に増殖し北部を席巻している裏で、南部では着々とカスモサウルス類が実権を握りつつあったカンパニアン中期~後期。
 一気にセントロサウルス類が減少し(生き残ったのがパキリノサウルス)、派生的カスモサウルス類が表舞台に躍り出たマーストリヒチアン前期。
 そして、トリケラトプス族が全てを飲み込んだマーストリヒチアン中期以降。

 このような背景に着目した特別展は今まであまりなかった(ように思う。昔からあったのなら、おそらく日本の恐竜事情は凄まじいことになっていたはずだ)。べた褒めした挙句にえらく書き散らかしているが、要するに筆者はこの特別展が楽しみで仕方ないのであった。

※不幸にして筆者は大阪市の回し者でも何でもない、ただの茨城県土着民である。ステマ臭いがステマではない。
それにしても外はすごい雪なのぜ…