↑ブラヴォケラトプス・ポリフェムス 模式標本TMM46015-1 産出部位を白で示す
近年の記載ラッシュで大きく種数を増やしたケラトプス科であるが、今回は最も新しく命名(2013年6月論文発表)されたブラヴォケラトプス・ポリフェムスBravoceratops polyphemusについてつらつらと書いていきたい。
ブラヴォケラトプスが産出したのは、アメリカ・テキサス州のジャヴェリナJavelina層の最下部(アグヤAguja層との境界付近)である。ジャヴェリナ層からは度々カスモサウルス類(トロサウルス・cfユタエンシスとされている)の断片的な化石が見つかっていたが、明らかにこれらの化石とは別物であり、層準もより下であった。生息年代は7000万年前とされている(先述のトロサウルス・cfユタエンシスは6900万年前)。ジャヴェリナ層の同層準からはアラモサウルスAlamosaurus、より上位からはトロサウルス・cfユタエンシスやアラモサウルスのほか、ティラノサウルスの一種とされる上顎骨(かつてT."vannus"とされたもの)やケツァルコアトルスの一種の化石(ケツァルコアトルスの骨格復元のベースにされる一連の部分骨格)も見つかっている。
発見された化石は断片的であったが、保存状態自体はまずまずである。フリルの正中線上に大きな縁頭頂骨をもち、縁頬骨も長く発達する。系統的にはコアウィラケラトプスCoahuilaceratopsと姉妹群をなし、カスモサウルスやペンタケラトプスといった基盤的カスモサウリネChasmosaurineやアンキケラトプスAnchiceratops、アリノケラトプスとトリケラトプス族Triceratopsiniの角竜などとの中間に位置する。