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恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

アガタウマス

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Agathaumas sylvestris 模式標本AMNH 4000(ウィキペディアより、Hatcher et al., 1907の図)
 初期の角竜の研究と言えば、マーシュとゆかいな仲間たち(ハッチャーとラル)が思い起こされるが、何だかんだで最初の角竜を記載したのはコープの方だったりする。1872年にアメリカ・ワイオミングのランスLance層(6700~6600万年前)から発見(そして同年記載)されたアガタウマス・シルヴェストリスがそれである。種小名(森に住む、の意)は、大量の植物化石が共産したことにちなんでいる。
 図に示した部位(胴椎+仙椎)の他に腸骨、後肢の一部、肋骨少々が見つかっているという。頭骨要素が見つからなかったことでさすがのコープも「アガタウマス科」を設けるのをためらい、結局「ケラトプス科」をマーシュによって先に設立されてしまうこととなった。

 90年代のある時期、アガタウマスをトリケラトプスのシニアシノニムとする動きがあったようだが、結局体骨格だけではどうにもならずに頓挫したようである。現在、アガタウマスは疑問名とされている。

 ところで、図を見る限り、AMNH 4000では神経弓と椎体が癒合していないようである。AMNH 4000の腸骨の長さは1mほどであり、この恐竜の推定全長はおよそ5~6mほどになる。ワイオミング、白亜紀末期、神経弓と椎体が癒合していない…ここまで書けばもうお分かりの事だろう。おそらくアガタウマスはトリケラトプストロサウルスの亜成体である。