GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

ドキッ!伏字だらけの○○○層群

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 諸般の事情(学祭に駆り出されることが決まった矢先に研究室の勉強会で○○○層群の化石相について現状報告をすることになったりクラオサウルスの骨格図を描き始めてしまったり)でシリーズものは一休みである。案の定今回の記事は筆者の愚痴その他で成り立っているので注意されたし。

 模式標本というと、それはもう神聖な響きさえしてくる言葉である。恐竜博2009でティラノサウルスの模式標本の一部が来日した日には、それはもう五体投地が繰り広げられたことだろう(そんなことはない)。そのあたり、モンゴル恐竜展は恐ろしい企画であった。
 読者の皆様の中には、国立科学博物館のオープンラボなどで色々な古生物の模式標本を目にした方も少なくないだろう。引き出しの中からアンハングエラ・ピスカトルの模式頭骨を取り出して解説する気さくなおっちゃんの脇でうなずき通しであった筆者である。(そして気さくなおっちゃんは冨田先生その人であった。その場で気付けよ俺!!)

 自慢ではないが筆者の卒論の研究対象の化石の中には複数の模式標本が含まれている。なんというかテンションが上がる話(求同意)だが、模式標本は特に明記されるでもなく標本箱にちんまり収まっていた。まぁ、それはそれでなんというかテンションは上がるものである(※単に筆者のテンションが上がりやすいだけなのかもしれない)。

 で、何が問題かというと(問題ですらないかもしれないが)、その模式標本によって定義されている種の知名度が全くと言っていいほどないことである。マイナー種というだけなら別にいいのだが、記載論文を除いて学術論文にほとんど(あるいはまったく)名前が出てこない。正直有効な分類群かと問われればすげー微妙なものがほとんどなのだが、そういう議論さえロクになされていないようである。(もっとも、記載論文が大学の紀要(とっくの昔に廃刊)なので、マイナーなのも仕方ないだろうが。。。一応Nomen nudumではないはず)

 この手の話もわりとよくあるはずである。実際他人事感が強かったのだが、自分の研究となると話は別である。というわけで、何気にピンチな気がする筆者であった。