GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

いつものどうでもいい話

 SVP絡みや基盤的魚竜形類の話でにぎわっている世間(?)であるが、例によって別に関係ない話(主に愚痴)をひとつ。

 現在筆者は某層群の化石について色々(そんなに大したことではない)やっているところである。不幸にして古生物学的にはあまり研究の進んでいない場所(堆積学とか構造地質的な話とかは結構なされている)であり、先行研究で一番あてになりそうなものが1961~62年の論文(某大学の紀要)という状況だったりする。写真が見辛くて泣けるんだこれがまた。

 周りを見渡してみれば先行研究は古くても80年代だったりして、ちょっとうらやましかったりするのが正直なところでもある。というか、大学からわりと目と鼻の先のフィールドのはずなのに、なぜか(卒研レベルですら)研究があまりなされていない。まぁ、ちびっ子が磯遊びをしているような場所なので、ハンマーを振り回すのは色々な意味で気が引けたりはする。

 とはいえ、さすがに大学の近所だけあってか(化石の産出頻度が比較的まれであるにも関わらず)化石はそれなりに採集されている。夏のフィールド調査(とは言っても2日ぽっちだったのだが)が実質スカに終わった筆者は目下大学所蔵の化石と格闘中である。
 
 ブログでもたびたび触れてきたが、きちんと収蔵されているはずの標本が行方不明というケースはシャレにならないレベルで多い。書いている身とはいえ実感に乏しかったのだが、いざ大学の化石収蔵室に入ってみれば目の前に広がるのは無情な現実である。ラベルだけしか残っていない標本が複数あるのだ。
 行方不明と一口に言っても色々な事情が想像できるが(他の研究機関に貸し出してそれっきり、など。ちなみに我が大学にもT北大からだいぶ前に借り受けたらしき標本が転がっているのだが、借用記録がちゃんと残っているとは思えない)、事情はともかく行方不明になっているのが現実である。残されたラベルと論文をすり合せてみる限り、いかにも再検討の余地/価値のありそうな標本が消失していたりする。

 そんなわけでヒントを求めて(ひょっとしたらラベルが書き換えられているだけかもしれない)、書庫の中から1955年の卒業論文(!)を引っ張り出してみたわけである。時代が時代なので手書き(達筆…だと筆者は思った。昔の人は字がうまい(小並感)ちなみに筆者は字が汚い)だが、やたら内容が濃くてビビった。まぁ、今とは「大学」の重みがだいぶ違う時代であろうから(おまけに著者は1期生であるらしい)、そういうものなのだろう。化石の写真はなかったが、産出層準に関して重要な情報(だと思う)を見つけることができた。
 他の自然科学がどうかは知らないが、古生物学というのは100年以上前の研究でさえ十分参考にできてしまう分野である。60年前の卒業論文でもずいぶん参考になるわけで、なんだかちょっとうれしくなった筆者であった。

 で、結局のところ標本は行方不明らしい。辛うじて写真がいくつかあるのが、なにしろ1950年代のモノクロ写真である。どーしたもんだかなー、というのが目下の悩みである。


結論:コトブキヤさん装甲巨神ゼロス出してくださいお願いしますなんでも(ry