GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

年度内に出なかった話

新年度である。諸事情で身柄を拘束されている筆者だが、すべての人に人権はあるわけで(あるべきなのだ)、色々とやれることはあるわけである。
さて、印刷の遅れ(たぶん)でまだ出版されていないのだが、それでも今週のうちに某博物館の紀要として出版される話なのでここに(ごく簡単に)記しておく。これまでも驚くべき化石を産出してきた某県の某上部白亜系の某層準にて、新たな化石ーー少なくともケラトプス科に属するーーが発見された。厳密にいえば60年以上前の調査で発見されたものの、異常巻アンモナイトの(状態のよくない)雌型とみなされていた標本ーー角の断片である。ここまで書けばお分かりの通り、これは「異常巻角竜」とでもいうべき標本であり(病変でないのは言うまでもない)、ケラトプス科角竜に全く知られていなかった形態的多様性があったことを示すものである。実のところ最近の調査で同じ層準からより状態のよい標本が産出しており、これらの標本の詳しい研究はまだ始まったばかりである。