)書いておきたい
「大英自然史博物館展」@国立科学博物館 3/18~6/11
いきなり大本命だが、(読者のみなさまはとっくに知っての通りだろうが)大英自然史博物館(NHMUKあるいはBMNHで通っている事は言うまでもない)から選りすぐりの所蔵品が来日する。古生物関係に絞っても、始祖鳥のロンドン標本やアニングの魚竜、ウィリアム・スミス採集の化石、テラノヴァ遠征で採集された南極産の化石、ピルトダウン人といった科学史的に非常に重要な標本が来日するとのことで、大変楽しみである。
昨年の夏FPDMで開催された特別展の巡回である。詳細情報はまだ出ていないようだが、福井開催時と基本的に展示内容は同じだろうから安心できる。
「メガ恐竜展2017-巨大化の謎にせまる-」@大阪南港・ATCホール 7/25~9/3
一昨年のアレが帰ってきたわけである。トゥリアサウルスの下半身が追加されたりするわけではないようだが…?
「ギガ恐竜展2017-地球の絶対王者のなぞ-」@幕張メッセ 7/15~9/3
タイトルがあまりにもアレなせいかググってもメガ恐竜展の方をサジェストされる始末だが、上のメガ恐竜展とは全く別物である(結局同じようなものかもしれない)。
とりあえず二大目玉としてルーヤンゴサウルスRuyangosaurusの復元骨格(全長38m!)と「Wyrex」の愛称で知られるティラノサウルスの名が挙げられている。
前者は頸椎や胴椎、頚肋骨少々と部分的な大腿骨、完全な脛骨が知られており、(38mという数字が妥当かはさておき)最大級の竜脚類のひとつとして度々(名前だけが)挙げられることがある。復元された大腿骨(近位しか発見されていないというのだが、写真を見ると遠位部も割と見つかっているようにも見える)の長さはざっと235cmあるといい、既知の竜脚類の大腿骨としては最大(これに次ぐ“アンタークトサウルス”・ギガンテウスで222cm)である。3年前に復元骨格が制作されているのだが、かなりエウヘロプス風味(なぜか血道弓はマメンチサウルス風)に復元されているようだ。
後者(のオリジナル)はブラックヒルズによって採集されたのち、現在はヒューストン自然科学博物館にて展示されている。Wyrex自体は部分骨格(頭骨後半部、いくらかの椎骨と肋骨、肩帯~前肢のほとんど(第Ⅲ中手骨含む)、ほぼ完全な後肢、腹骨多数)だが、保存状態は良好であり、尾の腹側のあたりから多数の皮膚痕の小断片が発見されている。また、多数の病変が確認されており、さらに死後ないし死の直前に尾の大半を噛みちぎられているらしい曰くつきの標本である。
そういうわけで今年も色々と賑やかになりそうである。筆者としては何かとしんどい1年になりそうなのだが、色々と楽しみである。