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恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

世界最大の恐竜博2002始末記 延長戦

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↑カテトサウルス・ルイシCathetosaurus lewisiの復元骨格SMA  0002
wikipediaより
 思わぬところで新たな話題が飛び込んでくるものである。“モアボサウルス”で恐竜博2002始末記を終えるつもりだったのだが、実はうっかり気付いていない新情報があった。忘れないうちに記事にしておきたい。

 さて、恐竜博2002では「カマラサウルスの一種Camarasaurus sp.」のウォールマウントが(確か床置きだったような気がするが)展示されていた。ハウ発掘地のSクオリーからの産出であり、尾以外はほぼ完全な標本である。“ET”の愛称で知られるSMA 0002はほぼ関節した状態で、ビッグアル2やヘスペロサウルス、オスニエロサウルスの脇に身を横たえていた(過去記事参照)。とくに頭骨は素晴らしい保存状態である。

 ところで、カテトサウルスという恐竜をご存じだろうか。ジェンセンによって88年に新属新種で記載されたものの、カマラサウルス属のシノニムとなった(種の有効性は一応保たれた)恐竜である。
 うかつにも筆者は気が付かなかったのだが、昨年(2013年)のSVPにて、カテトサウルス属を復活させようという意見が出ていた。先述のETはカテトサウルスであり、模式標本では欠けていた頭骨の特徴から、カマラサウルス属から分離させるべきらしい。
 まだ学会発表レベルであるが、このままいけば近いうちにきちんとした論文が発表されるだろう。しょっちゅう見かけるカマラサウルス sp.であるが、案外カテトサウルスに含めるべき標本も紛れているのかもしれない。福井標本なども、その行く末が気になるところである。