GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

羽毛の生えた蛇

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ケツァルコアトルスの一種Quetzalcoatlus sp.の骨格図。複数個体の化石を組み合わせている。正確性はあまりない。スケールは1m


たまには恐竜じゃない話でも書こうと思った結果がこれだよ!


 さて、異論もあるにはあるが一般に「最大の翼竜」と言えば、やはりケツァルコアトルス・ノースロッピQuetzalcoatlus northropiであろう。馬鹿でかいのには違いないのだが、実のところQ.ノースロッピ(とされている標本)は前肢しか発見されていない。(一応、本種のものとされる頸椎や後肢、下顎も発見されているとはいうのだが)

 そんなわけで、察しの良い方はとうにお気付きであろう。Q.ノースロッピの復元骨格が存在するわけだが、これの元になったのがイラストで示した「ケツァルコアトルスの一種」である。Q.ノースロッピと同じテキサスのジャヴェリナJavelina層下部(マーストリヒチアン前期、およそ6800万年前)からの産出であるが、ずっと小さい(Q.ノースロッピの翼開長が10mほどであるのに対し、こちらは5m程度)こともあり、属以下の分類については定まっていない。

 図で示したとおり、骨格のかなりの部分が発見されている(参考にした資料によって産出部位に差があったりもするのだが…(汗)とりあえずここで示した骨格図をあまり信用してはいけないのはいつものことである)。
 頭部にトサカがあることは間違いないのだが、形態については判然としない(ましてQ.ノースロッピのトサカについては全く化石が出ていないわけである)。復元画によってもだいぶ差の出るところであり、見比べると面白いだろう。

 産出したのがジャベリナ層下部ということで、ピンときた方もいるだろう。Q.ノースロッピも本種も、おそらくティラノサウルストリケラトプスとは共存していない。プテラノドンをティラノの背景に描いたらアウトなのはもはや常識であろうが、さらに言えばケツァルコアトルス(ノースロッピ)もアウトである。
 とはいえ、幸いなことに(?)、ヘル・クリーク層からケツァルコアトルス属と思しき頸椎が発見されている。翼開長はジャベリナ産Q. sp.と同じくらい(5~5.5mとされている)だという。

 そんなこんなで、ケツァルコアトルスに関しては分かっていない部分がなんだかんだ多い。とりあえず、Q.ノースロッピの復元骨格が実際には半分しかない大きさの動物を元に製作されているというのは覚えておくべきだろう。

 ヘル・クリーク産の翼竜と言えば、凄まじく胡散臭いがこんなもの()も存在するらしい。何かご存知の方がいらっしゃれば、教えていただけるとありがたいのだが…