GET AWAY TRIKE !

恐竜その他について書き散らかす場末ブログ

角竜

レガリケラトプスRegaliceratops

↑Skull of Regaliceratops peterhewsi TMP 2005.55.1(holotype). Left lateral view (A), preliminary reconstruction (B), rostral view (C), dorsal view (D). Scale bar is 10cm for A, C and D. 1m for B. From Brown and Henderson (2015) exclude B. …

Almond "Anchiceratops"

↑Cranial elements of Almond ceratopsian. A, B, AMNH 3652. C, AMNH 3656. Scale bar is 5cm. From Farke(2004). 地味に忙しくて(最近こればっか)気が付けば丸一週間放置である。要は今までの筆者がヒマすぎたということでもあるのだが、そこは気にしな…

謎の南方系(?)

↑Top to bottom, some chasmosaurine-ceratopsid skulls. Coahuilaceratops magnacuerna, based on CPC 276 (holotype). "El Picacho ceratopsian", based on TMM 40814-6 (epijugal) and TMM 42304-1 (nasal, squamosal). Bravoceratops polyphemus, based …

スミソニアンの主

↑Skeletal reconstruction of Triceratops sp. USNM 4842. After Hatcher et al. (1907) and Paul and Christiansen (2000). Scale bar is 1m. またしても角竜ネタなのには突っ込まないでほしいところである(こういうのはねぇ、勢いが大事だと思うよ、うん…

“モノクロニウス・ナシコルヌス”

Skeletal reconstruction of Centrosaurus apertus (formerly Monoclonius nasicornus) based on AMNH 5351. Scale bar is 1m. ケラトプス科角竜というと、一般向けの本にはよく「首から後ろに違いはない」的なことが書かれている。実際にはそんなことはない…

最古のケラトプス科を求めて

↑Skeletal reconstruction of "Menefee centrosaurine" NMMNH P-25052. Two dorsal vertebrae, ribs, and partial sacrum also recovered. Notes: cervical vertebrae are fused. Scale bar is 1m. 読者のみなさまは、筆者が角竜好きであることをとうの昔に…

私の愛したトリケラトプス③

↑Comparison of right squamosal of Maastrichtian chasmosaurines. A, Triceratops horridus MOR 1120. B, Triceratops prorsus MOR 2702. C, "Triceratops sternbergii" AMNH 5116. D, Torosaurus latus SMM P97.6.1. E, Torosaurus latus MOR 1122. F, "T…

新顔お披露目

ゼミ発表はどうにか切り抜けた筆者(大袈裟)である。先日取り上げた新たな角竜がお披露目されたので、適当に書いておきたい。 首から後ろの保存状態も悪くないという話だったのでもしやと思ってはいたのだが、なかなか良い出来の復元骨格である。3Dプリンタ…

私の愛したトリケラトプス②補足

需要をNT的なカン(大嘘)で察知したので、前記事の補足のためにいくつか図を挙げておこうと思う。 ↑Lull, 1933より、ランス層におけるトリケラトプスの相対的な産出層準を示した表。全て相対的な位置関係である点に注意。限定的な層序学的データに基づいて…

私の愛したトリケラトプス②

予告なしにだいぶ間が開いたのだが、これは単に筆者が本業で忙しかっただけの話である。なんとかまぁ、無事にゼミを迎えられそうな雰囲気である。タイトルどうしよ…。 さて、トリケラトプスと言えば現在T.ホリドゥスhorridusとT.プロルススprorsusが有効なの…

新顔

哀しみを背負った筆者である(悲しみを背負うことができたよ!!嘘だと言ってよ、バーニィ。おかしいですよ、カテジナさん!!)。が、悲しむ間もなくまたしても角竜の新種の情報が解禁されたので、紹介しないわけにもいくまい。(これは何というか、マガツキ…

アクイロプス

↑Skull of Aquilops americanus, OMNH 34557 (holotype). Modified from Farke et al., 2014. 先日ミネラルショーでアーケオケラトプスの頭骨レプリカを手に入れた筆者であるが、(個人的に)タイムリーなニュースである。アメリカはモンタナ州のクロヴァリ…

私の愛したトリケラトプス①

↑左上:トリケラトプス・ホリドゥスYPM 1820(模式標本)、 左下:トリケラトプス・ホリドゥス?AMNH 5116、 右:トリケラトプス・プロルススYPM 1822(模式標本)。スケールは1m Left top, Triceratops horridus YPM 1820(holotype); Left bottom, Tricerat…

時には昔の話を

ナイオブララサウルス君はね、また転校してしまったんだ 嘘よ嘘― When Dinosaurs~は今回もお休み(予想以上にナイオブララサウルスに手こずった)だが、ちょっとしたことを(忘れないうちに)書いておきたい。 ご存じ小田隆先生のブログだが、さりげなくめち…

つののないつのりゅう(記念記事)

筆者としてはあまり実感がなかったのだが、いちおう昨年(2013年)は「恐竜イヤー」だったらしい(もっとも、筆者の脳内では常に恐竜祭り状態であるとも言える。特にここ4、5年ばかりは)。主に某獣電戦隊と恐竜と歩く映画のことを指しているのだろう。ちな…

巨人たちの母

アリノケラトプスArrhinoceratopsといえば、一般にはマイナーではあるものの、最近の子供向けの図鑑にはたいてい名前が出ている程度には有名であろう(断言)。命名自体もそこそこ古い(1925年)アリノケラトプスではあるが、意外と謎の多い角竜でもある。化…

柳の下のなんとやら

↑レプトケラトプス科の未定種Leptoceratopsidae indet. RTMP 82.11.1 腹側から骨格を見ている点に注意。スケールは10cm Tanke, 2009より 珍しく中4日空いたわけであるが、集中講義で疲れた体を引きずって帰ってみれば、無線LANがアッーしていたのである。前は回…

南半球の角竜たち

↑左:セレンディパケラトプスSerendipaceratopsの左尺骨 右:ノトケラトプスNotoceratopsの左歯骨 スケールは10cm Rich et al., 2014より改変 角竜と言えば北半球の特産である(最近ヨーロッパからもいくらか見つかるようになった)。が、賢明なる読者の皆様…

南の国のトリケラトプス?

↑オホケラトプス・ファウラーリOjoceratops fowleriの骨格図。模式標本及び多数の参照標本に基づく。スケールは1m 2007年ごろから始まった怒涛の角竜命名ラッシュ(恐ろしいことに現在進行形である)で、これまで不定のケラトプス科とされていたいくつもの標…

トロサウルスの体骨格

↑トロサウルス・ラトゥスTorosaurus latusの骨格図 MOR 1122とMOR 981、MPM VP6841に基づく。 プロポーションはトリケラトプスに基づく大ざっぱなものである。 スケールは1m(MOR 1122に合わせてある) トロサウルスの化石と言えば、頭骨しか見つかっていな…

ペンタケラトプス・アクイロニウスPentaceratops aquiloniusなどなど

↑Longrich, 2014より、カスモサウルス亜科Chasmosaurinaeの系統図 ヴァガケラトプスVagaceratopsがカスモサウルス属に戻されている点に注意 さて、トリケラトプス属の変遷についてようやく論文が出たわけで、記事にするチャンスをうかがっていた矢先である。…

ティタノケラトプス、あるいはただのペンタケラトプス

↑OMNH 10165の骨格復元図。上が「有効なトリケラトプス族の角竜として」復元したもの、下は「ペンタケラトプスとして」復元したものである。椎骨や肋骨も複数知られているが割愛した。 ティタノケラトプス・オウラノスTitanoceratops ouranosと言えば、最近…

ジュディス・リバーの悪夢ふたたび

↑ジュディス・リバー層産角竜。ほとんどが断片的な標本に基づいている。 メガラプトル科の合成骨格図が妙に大反響でビビった筆者であるが、本当はメガラプトルの記事を書くつもりはなかった(速報的なノリで挟んでみた結果である)。本来こっちを先に記事に…

A Triceratops named ”Raymond"

↑レイモンドことNSM-PV 20379の骨格図。骨化腱のほか尾椎もいくつか発見されているが省略した。スケールは1m。 国立科学博物館に行かれたことのある方は多かろう。地下の恐竜ホールは非常に気合の入った作りであり、いくつかの重要な標本が展示されている。…

gdgd骨学 角竜その2

↑トリケラトプス・ホリドゥスの骨格図。様々な部分的な資料に基づく。 頭骨とプロポーション、大きさはTCM 2001. 93. 1に合わせてある。 スケールは1m その1を書いてからだいぶ経ってしまったのだが、どっこい第2弾である。前回と同様、骨学何それおいしいの…

ケラトプス科の復元骨格

前記事でスティラコサウルスの骨格について簡単に書いたわけである。なかなかケラトプス科角竜の復元骨格を国内で見る機会(というか種類)は限られており、角竜スキーの筆者としては残念な限りである。 というわけで(?)、(筆者が確認している限りの)ケ…

スティラコサウルスの骨格

↑スティラコサウルスの模式標本CMN(NMC) 344 Flickrより スティラコサウルスと言えば知名度は極めて高いが、意外なほど展示は少ない。復元骨格に至っては、わずかに2体が組み立てられているに過ぎないのだ(キャストを置いてあるところも聞かない)。 さて、…

トリケラトプスの誕生

なんだかんだでブログを始めて半年である。いまいち勝手がよく分からないまま適当に書き綴ってきたので、これからもお付き合いいただければ。 昔々のそのまた昔の1887年の春。アメリカ地質調査所のジョージ・キャノンらによって、コロラド州のデンバーDenver…

北九州産角竜化石

下甑島の角竜の歯化石の発見(参考記事①、②)は記憶に新しい(断言)が、またまた角竜である。福岡は北九州、1億3000万年前の層から1991年に発見されていたものだという。(The Dinosauria 2nd editionによると、福岡県内の未命名のユニットから?Ceratopsia…

ナストケラトプス

A:ナストケラトプスの頭骨上面図 B:頭骨側面図 C:骨格図(発見部位を白で示す) スケールはA, Bでは50㎝、Cでは1m Sampson et al., 2013より カイパロウィッツKaiparowits層(過去記事①②参照)で発見された大型角竜のうち、直近で命名されたものがナストケラ…